全日本空輸が国際線予約サービスのデータ提供基盤に「Oracle Exadata」を採用 国際線のインバウンド予約が増加:成功の鍵は社外クラウド─自社システム間の強固なデータサービス基盤(3/3 ページ)
全日本空輸は先頃、増加が続くインバウンド需要への対応強化などを目的に、業界標準のクラウドサービスを利用して国際線予約システムを大きく刷新した。このシステムの実現で鍵となる社内外のデータ提供基盤に採用されたのが、高いデータ処理能力を備える「Oracle Exadata」である。[プライベートクラウド/データベース統合][Engineered System]
システム刷新により国際線のインバウンド予約が増加
国際線予約システムは、Altéaから出力されたデータのうちトランザクショナルなデータについては「Oracle SOA Suite」および「Oracle B2B for EDI」でフォーマット変換を行い、その他のデータはOracle Exadata上で動作する「Oracle Data Integrator」でETL(Extract/Transform/Load)処理を行った後、それぞれから各社内システム向けにデータを出力するプラットフォームとして実現された。その結果、国際線のインバウンド予約が増加したほか、他のスターアライアンスメンバー航空会社を利用した際のマイレージ獲得/利用がスムーズに行えるようになるなど、シームレスな顧客サービスの実現にも寄与している。
Oracle Exadataの圧倒的なパフォーマンスも大きなメリットをもたらした。今回のシステム刷新で1日当たりの最大トランザクション数が最大30万まで増強されたことによって運用効率が向上し、国際線フライト予約などパートナーエアライン間とのリアルタイムトランザクションが毎秒30件、1日当たり最大25万件までスピーディに処理できるようになった。なお、当然ながらゴールデンウイークやシルバーウイークなどの大型連休にはトランザクション量が急増するが、そうした期間中も処理遅延を抑えることが可能となり、これが顧客満足度の向上にもつながっている。
運用面で大きな効果をもたらしたのは、Oracle Exadataとともに導入された「Oracle Enterprise Manager 12c」だ。高度にビジュアル化された直感的なユーザーインタフェースによりシステム保守などの作業が効率化/簡素化され、運用担当者の負担が軽減されたほか、障害発生時には原因箇所の特定と復旧が迅速に行えるようになり、エアライン業務の円滑かつ安定的な遂行が保証された。
加えて、柔軟性の高いデータベースプラットフォームが実現されたことで、旅客情報や予約種別などに関してAltéa側で頻繁に生じるデータ形式の変更に容易に対応できる環境が整えられた。これも、Oracle Exadataを中心に構築された新システムの大きな利点である。
今日、さまざまな業界で“業界標準”のクラウドサービスが登場しており、これを活用することで業界規制へのスピーディな対応や企業間システム連携の円滑化、自社IT負担の軽減を図る企業が増えている。ただし、それらのサービスも活用した独自の顧客サービスや社内におけるデータ活用を成功させるためには、外部サービスとの強固なデータ提供基盤やデータ提供サービス基盤が不可欠となるケースが少なくはない。Oracle Exadataをはじめとするオラクル製品によりAltéaと社内システムのデータ連携基盤を構築したANAの取り組みは、まさにその成功例だと言えよう。
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提供:日本オラクル株式会社
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