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  「Fedora 10」
北浦 訓行
2009/1/23
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 概要
Fedora 10は、Fedora Projectが開発するLinuxディストリビューションです。Fedoraには、積極的に最新技術を取り入れることや、ライセンスに制限のあるソフトウェアを完全に排除しているといった特徴があります。また、Fedora Projectは、Red Hat Enterprise Linux(RHEL)を開発・販売するRed Hat社の支援を受けている関係で、RHELが採用する技術をFedoraで事前に検証するという役割も担っています。
Fedora 10は、その名のとおり、Fedora Projectがリリースする10番目のバージョンです。採用している主なモジュールのバージョンは以下のとおりです。
- kernel 2.6.27.5
 - glibc 2.9
 - GCC 4.3.2
 - GNOME 2.24.1
 - KDE 4.1.2
 - X Window System 1.5.3
 
また、Fedora 10ではRPM(RPM Package Manager)のバージョンが4.6に更新され、旧バージョンのバグフィックスやLZMAによるデータ圧縮、SHA256などによる強固なファイル署名などがサポートされました。
なお、Fedoraは半年ごとに新バージョンをリリースしています。そのため、新バージョンのリリース後1カ月で、前々バージョンのサポートは終了します。Fedora 10がリリースされた現在では、Fedora 8のサポートが終了しています。
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| 画面1 Fedora 10のデスクトップ | 
 Fedora 10のインストールと起動
Fedora 10のインストール用バイナリは.iso形式になっています。CD版(6枚組)やDVD版(1枚組)、ネットインストール版が用意されています。また、HDDにインストールせずに、CDからFedora 10を起動できるLive版も用意されています。
Live版には、デスクトップ環境としてGNOMEが起動するものとKDEが起動するものがあります。Live版は、ターゲットのPCでFedora 10が問題なく起動するかどうかを確認できるだけでなく、起動後にHDDへのインストールも可能になっています。
Live版の.isoファイルは、CD-Rメディアだけでなく、USBフラッシュメモリに展開して、インストールに使用することも可能です。そのための手順は、「Linux Tips:Fedora 8のLive CDをUSBメモリから起動するには」を参照してください。
Fedora 10は、起動システムが変更されました。従来はGRUBのメニューが表示されていましたが、Fedora 10ではメニューが表示されません。GRUBメニューを表示するときは、PCの電源投入後に[Ctrl]キーを押したままにします。
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| 画面2 Fedora 10のGRUBメニュー | 
また、Fedora 10では、「Plymouth」(プリマス)という新しいブートアップシステムを採用しています。Plymouthでは、独自のカーネルモードセッティングドライバを利用することにより、起動時の画面のちらつきをなくしたり、システム起動時のメッセージ表示を抑制します。
いまのところ、用意されているカーネルモードセッティングドライバの種類が少なく、また正常に動作しないことがあるなどの不具合もあるようです。PCに対応するドライバが存在しない場合は、起動スプラッシュの代わりにテキストベースのプログレスバーが表示されます。
ちなみに、起動時のメッセージを表示したい場合は、スプラッシュ画面もしくはプログレスバーが表示されているときに[Esc]キーを押してください。
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| 画面3 Fedora 10の起動スプラッシュ画面 | 
Fedora 10ではシステムの起動時間を短くする工夫も行われています。LiveCDをHDDにインストールしたFedora 9および10(インストール時のオプションはすべてデフォルト)で大ざっぱに計測したところ、Fedora 9では40秒前後だった起動時間が、Fedora 10では30秒前後に短縮されています。
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