Windows XPの時刻同期機能は基本的にはWindows 2000と同じなので、前述した「net time」「net time /setsntp」コマンドを使って他のWindows PCと時刻を同期させる方法が利用できる。その一方で、GUIベースの設定ができるなど、いくらか機能が拡張されている。
ところでWindows XPでは、Windows 2000と違って、いったんSNTPのクライアントとしての設定が完了すると、同時にSNTPサーバとしても動作するようになっている(Windows XP Professionalだけでなく、Windows XP Home Editionでもよい)。つまり、あるWindows XPマシンで外部のSNTPサーバと同期をさせると、そのマシンはSNTPサーバとしても機能するので、LAN内の他のSNTPクライアントをサポートできるのである。
これに対してWindows 2000では、どのWindows 2000マシンでもSNTPクライアントとして外部のSNTPサーバと同期することは可能な半面、SNTPサーバとして動作するのはドメインコントローラだけである。もしワークグループ形態のネットワークで利用するのならば、それらのWindows 2000マシンはすべて外部のSNTPサーバと同期するように設定しなければならない(ただしこの設定はレジストリで変更できる)。
Windows XPならば、1台だけが外部のSNTPサーバを参照して、他のマシンはすべてその1台をSNTPサーバとすることができる。
Windows XPでは、タスクトレイにある「日付と時刻のプロパティ」において、新たに「インターネット時刻」というタブが追加されている(ただしドメインに参加している場合はこのタブは表示されず、自動的にドメインコントローラの持つ時刻情報に同期するようになっている)。ここに同期させたいSNTPサーバ名(もしくはIPアドレス)を入力すればよいので、いちいちコマンドプロンプトで操作するよりも簡単である。
デフォルトでは「time.windows.com」というNTPサーバを参照するようになっている(Microsoftが運営しているNTPサーバのようだ)。しかし、ネットワークが混み合っているからかどうか分からないが、このサーバとの同期はよく失敗する。他に利用できるNTPサーバがあるならば、変更したほうがよいだろう。なるべくネットワーク的に近いサーバを指定したほうが時刻の精度が高くなる。
SNTPサーバを使った時刻の同期動作は、Windows XPのデフォルトでは1週間に1回しか行わないようになっている。クライアント用途ならばこれでも問題はないだろう(ハードウェアによるが、正確な時刻とのずれは、最大でも1週間で数十秒程度だろうか)。
しかし、他のマシンに時刻情報を提供するために使うのならば、もう少し高い頻度(1日1回か2回程度)で同期を取るようにしてもよいだろう。この頻度を変更するには、以下のように、レジストリでポーリング間隔を変更する必要がある。
[注意]
レジストリに不正な値を書き込んでしまうと、システムに重大な障害を及ぼし、最悪の場合、システムの再インストールを余儀なくされることもあります。レジストリの操作は慎重に行うとともに、あくまでご自分のリスクで設定を行ってください。何らかの障害が発生した場合でも、本Windows Server Insider編集部では責任を負いかねます。ご了承ください。
項目 | 内容 |
---|---|
キー | HKEY_LOCAL_MACHINE\System\ CurrentControlSet\Services\W32Time\TimeProviders\NtpClient |
値の名前 | SpecialPollInterval |
型 | REG_DWORD |
値の内容 | ポーリングインターバル(秒)。デフォルトでは「604800秒(7日)」になっている。例えば12時間にするなら「43200(=60×60×12)」を入力する。 |
レジストリの設定値 SNTPサーバとの同期間隔(ポーリングインターバル)を変更するには、SpecialPollIntervalにポーリングの間隔(秒数)を入力する。 |
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■更新履歴
【2001/12/22】Windows XPに対応しました。
【2000/03/04】初版公開。
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