BIOS/UEFIセットアップでWOLに必要な設定は、おおむね電源管理のメニューから設定できる。しかし、その具体的な設定項目の名称やありかはPCごとに大きく異なる(そのバリエーションは、前述のネットワーク・アダプタの[詳細設定]タブと比べても、非常に多い)。しかもBIOS/UEFIセットアップの設定に失敗すると、コンピュータが起動しないといった深刻な事態を招く恐れがある。その点で、BIOS/UEFIセットアップのマニュアルやヘルプを参照しながら、WOLによる起動を有効にする設定をするのが望ましい。ここでは、よくあるWOLの設定項目の名称やありかを記すだけにとどめる。
WOL関連の設定を含むメニュー | WOL関連の設定項目の名称 | |
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・[Power Management Setup] ・[Power(電源)]−[APM Configuration] ・[Advanced(詳細)]−[APM] ・[Power Management Event] |
・[WOL] ・[Wake On LAN 〜] ・[Remote Wakeup] ・[PME Event Wake Up] ・[Power On by PCI Device(PCIによる電源ON)] ・[Power On By PCIE Device(PCIEによる電源ON)] |
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設定が完了したら、設定変更をCMOS/フラッシュメモリに保存する(「Save Changes & Exit」など)を選択して、コンピュータを再起動させる。
起動させたいコンピュータ側の準備が完了したら、次はマジック・パケットを送信するツールを準備する。これはWindows OSにインストールするプログラム形式のものもあれば、ネットワーク/システム管理ソフトウェアがWOLの機能を装備している場合もある。またブロードバンド・ルータにも、LANに接続されたコンピュータをWOLで起動する機能を持つ製品がある。そのため、まずは既存のソフトウェア/ハードウェアがWOLに対応していないか確認し、なければ以下に紹介するようなツールを利用するとよいだろう。
マジック・パケットを送信できるWindows対応ツールはたくさん存在するが、ここでは一例としてフレンドコンピューターの「WOL Controller」の使い方を説明する。これはフリーウェアとして配布されている。
ページの下の方にある「■ダウンロード」の「WOL Controller 1.0.0.0」というリンクをクリックすると、ZIPファイルがダウンロードできる。これを任意のフォルダに展開したら、WOLController.exeを実行する。WOL Controllerのウィンドウが表示されたら、最初にツール・バー上の「L」アイコンをクリックして、起動させたいコンピュータと管理用コンピュータが接続されているサブネットのブロードキャスト・アドレスを指定する(この作業は1回だけでよい)。ブロードキャスト・アドレスとしては、次のようにディレクティッド・ブロードキャスト・アドレスを使ってもよいし(ホスト・アドレス部分を全部1にしたアドレス)、255.255.255.255というリミテッド・ブロードキャスト・アドレスを使ってもよい(両者の違いについてはTIPS「ブロードキャスト・アドレスの種類」参照)。
次に、起動させたいコンピュータの名称とMACアドレスを登録する。MACアドレスを調べるには、ipconfig /allコマンドやgetmacコマンドを利用するとよいだろう。具体的な操作については、関連記事を参考にしていただきたい。
これでWOL Controllerの準備は完了だ。
以上の準備がすべて完了したら、実際にWOLによる起動を試してみよう。起動させたいコンピュータをシャットダウンしてから、管理用コンピュータのWOL Controllerを起動し、対象のコンピュータのチェックボックスをオンにして、マジック・パケットを送信する。
対象のコンピュータが起動したら、WOLによる起動は成功だ。必要であれば、スリープや休止状態からでも起動できるか、テストしておく。
解説で述べたような条件をクリアしていない場合には、WOLに失敗することもある。条件をクリアしていても、いわゆる相性などにより必ずしもうまくいかないこともある。WOLはコンピュータのさまざまなコンポーネントにわたる設定が必要な機能なので、実際に運用する前には必ず事前にテストしていただきたい。
【2012/03/09】Windows 7/Windows Server 2008 R2に関する情報を追加しました。またマジック・パケット送信ツールをWindows 7対応のものに差し替えました。これらの変更にともない、「操作方法」の構成を大幅に変更しました。
【2006/02/25】初版公開(対象はWindows 2000/Windows XP/Windows Server 2003)。
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