第1回 WSHを始めよう : 基礎解説 演習方式で身につけるチェック式WSH超入門 (2/3 ページ) 
 さて、ここで話をWSHに戻して、WSHでは何ができるの? ということをざっと概観してみよう。
 先ほど少し述べたが、VBScriptはさまざまなオブジェクト(正式にはCOMオブジェクトという)を使うことで多彩な機能を実現している。「オブジェクト」というと構えてしまう人がいるかもしれないが、ここでは単に「便利な機能を実現するための道具」くらいに思っていただければよい。VBScriptから使えるオブジェクトは、以下のように大きく3つに分類できる。
WSH(VBScript)から使えるオブジェクト(COMオブジェクト)  
 以下、オブジェクトの種類ごとに特徴などを説明しよう。
 1つ目は、WSHに標準的に付属しているオブジェクトだ。多くのスクリプトは、これらの基本オブジェクトを単独、ないし組み合わせて利用することにより実現されている。
WScriptオブジェクト FileSystemObjectオブジェクト WshShellオブジェクト WshNetworkオブジェクト WshControllerオブジェクト  
 2つ目は、WSHの機能ではないが、Windows OSに標準添付されているオブジェクトである。先ほど述べた基本オブジェクトと組み合わせて使うと効果的だ。ここでは、よく使われる代表的なオブジェクトを紹介する。なお、Windows OSのバージョンによっては含まれていないオブジェクトも存在するので注意していただきたい。
ADODB.Connectionオブジェクト ADODB.Streamオブジェクト XMLHTTPオブジェクト CDO.Messageオブジェクト InternetExplorer.Applicationオブジェクト Shell.Applicationオブジェクト ADSI(Active Directory Service Interfaces) WMI(Windows Management Instrumentation)  
 3つ目は、Windows標準添付ではないが、別途インストールすることで使用可能になるオブジェクトである。例えば、WordやExcelなどのOfficeアプリケーションをインストールすることにより、これらのアプリケーションをWSHから自在に操作できるようになる。なお、アプリケーションをWSHなどの外部から操作することを「オートメーション」という。Office以外にも、Windows Media PlayerやVirtual Serverなどのマイクロソフト製のアプリケーションのみならず、一太郎などサードパーティ製のアプリケーションにもオートメーションが可能なものがある。また、BASP21 など、WSHなどから使われることを想定したオブジェクトをインストールすれば、メールの送受信やソケットの操作などが可能になる。
 以上のように、WSHでできることは枚挙にいとまがない。オブジェクトを使えば実にいろいろなことが可能になることがお分かりいただけると思う。
 
Copyright© Digital Advantage Corp. All Rights Reserved.