Oracleのバックアップ/リカバリの仕組みとは?ORACLE MASTER Silver DBA講座(21)(2/2 ページ)

» 2007年09月03日 00時00分 公開
[有限会社 G.F.インフィニティ (Project - ∞)]
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問題

問題1

REDOログファイルを多重化していますが、ディスク障害のために1つのREDOログファイルが破損しました。データベースの状態を選択しなさい。

a.インスタンスに影響はない
b.インスタンスが停止する
c.DML実行がエラーとなる
d.LGWRが書き込みエラーになる

正解:a

解説

 前回、宿題とした問題です。

 REDOログファイルを多重化(ミラーリング)している場合、REDOロググループのメンバーのうち最低1つに正常に書き込みができれば、Oracleサーバは正常に動作します(正解a)。

 そのほかの選択肢の不正解の理由は次のとおりです。

選択肢b:インスタンスが停止するのは、REDOロググループのすべてのメンバーにアクセスできないときです。

選択肢c:DML実行も含め、すべての操作に影響を与えません。

選択肢d:LGWRの書き込みエラーは発生しますが、クライアントなどには表示されず、アラートログファイルに出力されるだけです。インスタンスの動作に影響を与えていないことから、選択肢aの方を正解としています。

問題2

インスタンスリカバリで行われる処理に関する説明として正しいものを選択しなさい。

a.アーカイブREDOログファイルからロールフォワードとロールバックが実行される
b.REDOログファイルからロールフォワードが実行され、UNDOデータからロールバックが実行される
c.REDOログファイルからロールフォワードが実行され、アーカイブREDOログファイルからロールバックが実行される
d.REDOログファイルからロールフォワードとロールバックが実行される

正解:b

解説

 インスタンスリカバリは、次の2つの手順で行われます。

1.ロールフォワード
最後にチェックポイントが発行されてから発生した、データファイルに反映されていない更新処理をREDOログを使用して再実行します。このステップにより、COMMITされたトランザクションはすべて反映された状態になります。

2.ロールバック
ロールフォワードのステップで行われる更新処理時に生成されたUNDOデータを適用します。このステップにより、COMMITされていないトランザクションはロールバックされ、データベースの同期が取れた状態となります(正解b)。

 そのほかの選択肢の不正解の理由は次のとおりです。

選択肢a、d:REDOログファイルを適用するのはロールフォワードです。一方、ロールバックではUNDOデータを使用します。

 アーカイブREDOログは、バックアップをリストアしたときのメディアリカバリのロールフォワードで使用されます。

選択肢c:ロールバックにはUNDOデータを使用します。REDOログファイルもアーカイブREDOログもロールフォワードで使用される情報です。

問題3

ARCHIVELOGモードに変更する手順を2つ選択しなさい。

a.NOMOUNTモードにて、ALTER DATABASE ARCHIVELOG文を実行し、データベースをOPENする
b.MOUNTモードにて、ALTER DATABASE ARCHIVELOG文を実行し、データベースをOPENする
c.オープンした状態で、ALTER DATABASE ARCHIVELOG文を実行する
d.「ARCHIVELOGモード」チェックボックスを選択後、「適用」ボタンをクリックする

正解:b、d

解説

 コマンドラインからARCHIVELOGモードに変更する手順は次のとおりです。(正解b

  1. データベースを停止する
  2. データベースをMOUNTする
  3. ALTER DATABASE ARCHIVELOGコマンドの実行
  4. データベースをOPENする

 Enterprise Managerを使用しているのであれば、「リカバリ設定の構成」ページにて「ARCHIVELOGモード」チェックボックスを選択し、適用することで、バックグラウンドでデータベースの再起動とARCHIVELOGモードへの変更が行われます(正解d)。

図2 ARCHIVELOGモードの設定(クリックで拡大します) 図2 ARCHIVELOGモードの設定(クリックで拡大します)

 そのほかの選択肢の不正解の理由は次のとおりです。

選択肢a:ARCHIVELOGモードの情報は制御ファイルに登録されます。NOMOUNTモードでは、制御ファイルがオープンされていないため、情報を格納することができません。

選択肢c:ARCHIVELOGモードの変更は、データファイルとREDOログファイルがオープンされている状態ではできません。データファイルとREDOログファイルがクローズされているMOUNTモードで行う必要があります。

宿題

 次回は、「データベースのバックアップ」を確認します。次の宿題を解いておいてください。

問題

NOARCHIVELOGモードで可能なバックアップモードを選択しなさい。

a.一貫性バックアップ
b.非一貫性バックアップ
c.ホットバックアップ
d.増分バックアップ

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