【3】Xサーバの設定方法を把握しておく
Xサーバの設定ファイルはxorg.confです。一般的なパスは/etc/X11/xorg.confです。このファイルに、キーボード、マウス、ビデオカード(ビデオチップ)、モニタなどのハードウェア情報とそれを制御するデバイスの情報、使用するフォントファイルやフォントサーバの情報、動的にXサーバにロードするモジュールの情報などを、それぞれのセクションに記述します。
今回はフォントの指定の記述について説明します。フォントの指定は、Section "Files" で行います。
(例1) ローカルホスト上のフォントサーバのUNIXソケットを指定
Linux標準のフォントサーバxfsのUNIXソケット/tmp/.font-unix/fs7100に接続します。
(例2)リモートホスト上のフォントサーバのTCPポート7100番を指定
xfsのTCP待機ポート番号は7100番です。xfsの設定ファイルの記述でTCP接続を許可する必要があります。
(例3)ローカルホストのフォントを指定
(例4) FontPathを指定しない
FontPathを指定しない場合は、Xサーバのデフォルトのフォントディレクトリが参照されます。
CentOS4.4では/usr/X11R6/lib/X11/fonts/以下の各フォントディレクトリ、Fedora8では/etc/X11/fontpath.dとなります。
【4】X Window Systemのカスタマイズ方法を把握しておく
CentOS 4.4、Fedora 8の場合はディスプレイマネージャの指定は/etc/sysconfig/desktopファイルで行います。
gdmを指定する場合:
DISPLAYMANAGER="GNOME"
kdmを指定する場合:
DISPLAYMANAGER="KDE"
xdmを指定する場合:
DISPLAYMANAGER="XDM"
ディスプレイマネージャの表示画面や表示メッセージを、各ディスプレイマネージャの設定ファイルを編集することによりカスタマイズできます。
(例1)CentOS 4.4、Fedora 8でgdmの表示画面を変更する例
CentOS 4.4では/etc/X11/gdm/gdm.confを次のように変更。
Fedora 8では/usr/share/gdm/defaultsを次のように変更。
(例2)CentOS 4.4、Fedora 8でkdmのグリーティングメッセージを変更する例
CentOS 4.4では/etc/X11/xdm/kdmrcを、Fedora 8では/etc/kde/kdm/kdmrcを次のように変更。
(注)%nはホスト名に置き換わります。
(例3)CentOS 4.4、Fedora 8でxdmのグリーティングメッセージを変更する例
/etc/X11/xdm/Xresourcesを次のように変更。
(注)CLIENTHOST はホスト名に置き換わります。
CentOS 4.4、Fedora 8の場合は統合デスクトップ環境の指定は/etc/sysconfig/desktopファイルで行います。
GNOMEを指定する場合:
KDEを指定する場合:
【5】クライアント/サーバ型の分散処理の方法を把握しておく
X Window SystemはクライアントとサーバがXプロトコルで通信するネットワーク型のウィンドウシステムであり、この特徴を生かしてクライアントプログラムをリモートホストで実行し、ローカルホスト上のXサーバで表示や操作をすることができます。
ローカルホストになくリモートホスト上にあるアプリケーションをローカルホストで表示/操作したり、高速なリモートホスト上で演算主体のアプリケーションを走らせて表示/操作をローカルホストで行うことができます。
・Xサーバ側での作業(図8・左)
1. XサーバへのTCP接続を許可する
ディスプレイマネージャがXサーバを起動するとき、“-nolisten tcp” のオプションを付ける設定になっている場合はXサーバがTCPポートを作らないので、そのときはディスプレイマネージャの設定ファイルを変更します。
/usr/share/gdm/defaults.confを、次のように編集してgdmを再起動します。
DisallowTCP=false
2. xhostコマンドを実行して、クライアントからのアクセスを許可
・すべてのクライアントからのアクセスを許可:xhost +
・特定クライアントからのアクセスを許可:xhost クライアントホスト名
・Xクライアント側での作業(図8・右)
1. Xサーバを指定してクライアントを起動
export DISPLAY=Xサーバ名:0.0xclock
または、
xclock -display Xサーバ名:0.0
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