次に特徴のある頭痛として、少し専門的ないい方ですが、「片頭痛」や「群発性頭痛」というものがあります。片頭痛は特徴的な前駆症状、つまり頭痛の前に特有の症状(片頭痛では目の前がピカピカするなど)があり、発作は数時間程度、長いものだと1日中続きます。頭の片側、または両側が拍動を伴うように痛むというのも特徴的です。
群発性頭痛は男性に多く、こちらも特有の前駆症状(目が充血して涙が出るなど)があります。毎日決まった時間帯に激しい頭痛発作が起き、いつも決まった片側の頭が痛むのが特徴です。どちらの頭痛もきちんと診断さえつけば薬で対処できるのですが、診察した医者がこの病気を知らなければ当然診断もできないので、むやみに鎮痛剤などを出されても全然治らない、という困った状況になるわけですね。
そして、拍動を伴うように痛むのは「筋緊張性頭痛」というものです。頭痛の大半はこれだといっても過言ではありません。ずっとパソコンに向かって仕事をしている皆さんによく見られる頭痛で、精神的なストレスや過労からくることもあります。頭の筋肉がずっと緊張することによって起こり、肩凝りや吐き気、めまいなどを伴うこともあります。痛みの種類としては「頭を締め付けられるような痛み」「ヘルメットをかぶせられているような感じ」と表現されることが多く、しかも急激に発生するのではなくてなんとなくダラダラと痛みが続くのです。くも膜下出血の頭痛とは対照的ですよね。
筋緊張性頭痛の治療としては、筋肉の凝りを和らげる飲み薬もありますが、まずはずーっとパソコンに向かっていないでたまに体を動かすとか、たまに窓の外の景色に目をやるとか、仕事の合間の軽いリフレッシュを心がけるのが一番です。
というように、頭痛といっても実にさまざまで奥深いんですね。ある程度のことは症状の特徴から分かるんですが、もちろん例外もあるので一概にはいえません。だから、慢性的に頭痛に悩まされていて、1つの病院にかかってもなかなか症状が良くならない人は、思い切って違う病院で意見を聞いてみるのもいいと思いますよ。常に頭をスッキリさせて能率良く仕事に打ち込みたいですね。
ドクトル・ピノコ
女医。医大生時代には体育会に属しつつ、某社キャンペーンガールや大手塾講師など数々のバイトもこなし、現在、酒と体力だけには自信アリの超体育会系の外科医として某病院にて働く。趣味は、酒、男、足裏リフレクソロジー。現在、「週刊ビジスタニュース」に月イチでコラムを連載中。ぼちぼち書き仕事も募集してます。
この記事は、ITmedia Biz.IDに掲載された連載「ドクトル・ピノコのプチ元気の薬」を再編集して掲載しているものです
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