新しい本を買うという行為は、それ自体が学習のモチベーションになります。本を読もうというモチベーションは買った直後が一番大きく、時間がたてばすぐになくなってしまいます。翌日になれば、もうなくなってしまうと考えてよいでしょう。
ですので、2冊以上を一度に購入するのは避けるべきです。本の購入時に発生するスタートダッシュ効果を利用できなくなるからです。いくら欲しくても、必ず1冊だけを選んで買ってください。次の本が必要になったとき、本屋に行くこと自体も次の学習へのモチベーションにつながります。
学習に使用する本は、できるだけ休みの日の午前中に買うべきです。そしてその日を使って一気に読んでしまいます。時間を置くべきではありません。
さらにいえば、本は買った後すぐに家に持ち帰るべきではありません。家に帰れば、さまざまな邪魔や誘惑があります。本を開く前にテレビでもつけようものなら、もうアウトです。
家に帰る途中の喫茶店、レストランなどに居座って、できるだけ一気に読んでしまいましょう。ある程度読み進めた本であれば、家に持って帰っても続けて読める可能性が高いでしょう。
もちろん本当に内容の面白い本であれば、いくら時間がたっても読むモチベーションになることもあります。しかし、利用できるモチベーションは利用しましょう。
次回、「リスニング」の回で詳しく述べますが、リスニングの練習は、短い学習素材を繰り返し聞き、発音練習をすることによって行います。
基礎的な英語の音声についての知識を身に付けた後は、iPodを利用しての発音練習、シャドーイング(録音された会話文に続き、同じように発音して影のようについていく練習方法)が中心になります。私は旧式のiPod nanoを常に携帯し、繰り返し聞いて練習していました。
iPodを充電するためにPCに接続すると、iTunesが立ち上がります。iTunes上では曲の再生回数が表示されます。この回数が毎日増えていくことが、モチベーション維持につながります。
私の場合、リスニングの学習中はiPodの再生回数がモチベーション維持に最も貢献しました。今日は30回も聞いた、この素材は200回も聞いた。この回数が積み重なること自体が、自信につながっていきます。
英語の学習と娯楽を一緒にできればうれしいですよね。
私の考えでは、映画を見ること自体は、英語学習において最も効率が良い方法とはいえません。しかし、モチベーション維持という観点では非常に優れており、行動を維持することがかなり楽な手段だと思います。
映画で効果的な学習をするには、映画を日本語(音声・字幕どちらでも)でひと通り楽しんだ後、気に入ったシーンを見つけ、英語字幕でそのシーンをひたすら繰り返します。そのシーンのすべてのセリフでシャドーイングが可能になるまで行った後、字幕を消し、その状態ですべてシャドーイングできるまで再び繰り返します。
映画学習法の欠点があるとすれば、
くらいです。
初めはレンタルでもOKです。しかし本当に気に入った映画であれば買うべきでしょう。逆に買ってしまうくらい好きな映画でないと、セリフを繰り返し練習する気になりません。結局好きな映画を見つけるためにDVDを借りるわけですが、それ自体が娯楽なので、むしろ「映画を楽しんだ結果、教材が見つかる」ととらえた方が前向きで、モチベーション維持に優れた考え方といえるでしょう。
TOEICのリスニングセクションが満点レベルの人でないと、映画をレンタルして一度観ただけで勉強になるということはあまりありません。
私の場合は、毎週末にDVDを借りてきて、日本語字幕・英語音声で鑑賞します。ほとんどの場合は楽しむだけで終わります。たま〜に買いたい映画に出合ったら、教材として利用することもあります。
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