自分の周りの人をできるだけ巻き込んで、できれば一緒に勉強してしまいましょう。お子さんがいる方は、お子さんと一緒に勉強してもいいでしょうし、彼女(彼氏)や奥さん(旦那さん)がいる方は、その方と一緒でもいいでしょう。異なる勉強でもいいので、とにかく一緒に勉強できるパートナーを見つけましょう。
一緒に勉強して、共に成長したという経験は、間違いなく相手とのきずなを深めます。できるだけ大切な相手と、共に成長できる関係を築きたいものです。
自らの行動を周りの人たちに理解してもらうということは重要です。周りの人との話題に上りやすくなることがモチベーション向上につながります。それだけではなく、勉強方法の相談に乗ってくれもしますし、スランプに陥ってしまったときも、脱出のきっかけをくれるかもしれません。
身近にそういった人がいない場合は、勉強する人たちの場に参加しましょう。英語のサークルは全国各地にあるし、これから見つける勉強仲間でも全然問題なしです。勉強をするコミュニティが見つからない場合は、図書館に出掛けるだけでもいいでしょう。周りに勉強する人たちがいれば、1人で勉強するよりもモチベーションを上げられるかもしれません。しかしその場合も、自分が頑張っていることを分かってもらえる人を身近に1人は作ることが重要です。
この章の本質は、勉強パートナーでなくても、自分の勉強過程や小さな成果を共有し、認めてくれる人がいると、人は精神的に安定し、モチベーションが維持しやすい状態をつくれるということです(心理学的社会心理学)。
電車の中は、iPodを利用した練習に最適です。初めはシャドーイングで口を動かすのを恥ずかしく感じる人も多いでしょうが、これは他人と違うことをすることを恥ずかしがる日本人の特性です。他人と違うことをすることをかっこいいと感じる外国人の感性を前向きに取り入れ、堂々と練習しましょう。
また、電車は本を読むのにも適しています。電車の中の時間は、それこそ本を読むか音楽を聞くかしかすることがないので、どんどん英語学習に利用しましょう。
普段の通勤電車はもちろんのこと、休みの日には電車で遠くの町まで出かけましょう。1時間も電車に乗ればかなり遠くまで行けますし、車よりかなり経済的です。ともあれ、旅行にかこつけて勉強することが重要です。
散歩なら、本は無理ですがiPodは聞けます。散歩のついでではなく、iPodで英語を聞くために歩きましょう。すごく健康的で、すがすがしくなります。長時間歩くときはトレッキングシューズがお勧めです。山登り・山歩きなどもシャドーイング練習に向いていると思います。
私は英語の勉強をするために旅行を計画し、電車や徒歩の旅を何度もしました。
旅行などのモチベーションを発生させる機会と、英語の学習を結び付けることの重要性が、ここでいいたいことの本質です。
「前向き」「後ろ向き」という言葉があります。前向きな人は高いモチベーションを発揮しやすいともいわれます。
「彼は前向きな性格だ」という使い方がされるように、前向きというのは性格であり、その人が生まれ持ったものだから変えられないという考え方の人によく出会います。
しかし、私は別の意見を持っています。前向きな考え方というのは、物事をとらえる際の自らの心の態度です。他人への態度は他人に応じて整えられるのに(重要顧客など、自分にとってとても大切な人に対して失礼な態度を取る人は少ないですよね)、自らの内向きの、物事をとらえる際の態度を変えられないということはありません。
前向きというのは、メンタルコントロールの1つであり、スキル(技術)です。天性の素質が必要なものではありません。訓練で身に付くものです。しかし人間は時として臆病になり、「前向きに考えた結果、期待を裏切られる」ことに敏感です。成功体験が少ない人ほど、前向きな姿勢に対して臆病な傾向を持っています。そしてこういう人ほど、メンタルコントロールはスキルであるという認識を持っていないものです。
どうしても前向きになれない人は、一度心理学の門をたたいてみましょう。心理学には客観的に人間の心へのインプットとアウトプットのパターンを分析する分野もあり(知覚心理学)、心理を客観視する態度が身に付きやすくなるかもしれません。
私の場合は、放送大学の心理学系の授業を録画し、テキストと合わせて何度か繰り返し見ることで勉強しました。
冒頭にも述べましたが、モチベーションコントロールの本質は、自らのモチベーションに敏感になり、自らのモチベーションの研究者になることです。
あなたのモチベーションを管理してくれる人はいません。しかし、上に書いたいくつかの方法がヒントになるはずです。ぜひこれらを参考にして、自らのモチベーション管理手法を編み出してください。
そして、効果的な手法が見つかったら、私にこっそりと教えていただけると幸いです。
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平生宗之
ITエンジニア8年目。中学3年よりコンピュータを始め、これまでに読んだ関連書籍は200冊以上。コンピュータでできることを模索するうち、紆余(うよ)曲折を経て数学基礎論に行きつく。仕事はインフラ、開発、マネジメントをこなすが、本人的にはプログラマが一番性に合う模様。趣味は旅行(車、電車)と音楽(歌、ピアノ)とスポーツ(スノーボード、サーフィン)。元柔道部主将。
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