正男 「それでは実際に芽衣子さんのマシンからまたまたtelnetを使ってメールを受け取ってみたいと思います」
成沢 「受け取るだけなのでメールみたいに大したことはできないけどな」
といいつつ芽衣子さんのターミナルを勝手に起動します。テキストばかりの画面ですが、さすがに芽衣子さんも何度も見ているうちにドキドキしなくなりました。慣れって怖いものです。
そして、正男さんはおもむろにターミナルに打ち込みます。
$ telnet pop.atmarkit.co.jp 110
少したって接続に成功すると画面が切り替わります。
+OK pop.atmarkit.co.jp <69280482.1252562816@121.3.17.38.30132>
「ここからパスワードを使ってログインします」
USER kim(←USERの後はユーザー名)
とパスワードを入力すると
+OK password please
と出てきましたので
PASS prkr(←PASSの後はパスワード)
とパスワードを打ち込みます。
+OK Maildrop locked and ready
正男 「これでログインに成功しました」
芽衣子 「やった」
芽衣子さんも楽しくなってきました。
正男 「STATと打ち込むとメールサーバに保存されているメールの数が表示されます」
STAT +OK 3 24669
正男 「LISTと打ち込むとサーバに保存されているメールのリストが表示されます」
LIST +OK scan listing follows 1 1913 2 11795 3 11761
RETR 1
と打ち込むと番号に対応したメールが表示されます。
RETR 1 +OK Message follows Return-Path: <bogus@bogus.jp> Received: from [172.23.0.44] by ms68 with LMTP for <kim@atmarkit.co.jp>; Th u, 15 Oct 2009 11:08:51 +0900 Received: from omx11.ms.so-net.ne.jp (omx11.ms.so-net.ne.jp [172.23.0.66]) by mx34.ms.so-net.ne.jp with ESMTP id n9F28pR7007152 for <kim@atmarkit.co.jp>; Thu, 15 Oct 2009 11:08:51 +0900 Received: from bogus.jp (p62b2fe.tokynt01.ap.so-net.ne.jp [219.98.178.254]) by omx11.ms.so-net.ne.jp with ESMTP id n9F26u0g006432; Thu, 15 Oct 2009 11:07:59 +0900 (JST) Date: Thu, 15 Oct 2009 11:06:56 +0900 (JST) From: bogus@bogus.jp Message-Id: <200910150207.n9F26u0g006432@omx11.ms.so-net.ne.jp> テストメールです .
正男 「これでメールの受信ができました。「.」が終わりを表してます」
芽衣子 「なにこれ、ごちゃごちゃあってややこしいんだけど」
成沢 「ほとんどはメール本文とは関係ないから気にするな」
芽衣子 「分かった。気にしないことにするわ」
芽衣子さんは分からないことは潔く切り捨てるタイプです。
正男 「実は削除しないとサーバにメールは残ったままですから、読んだメールを削除することにします。削除するにはDELEコマンドを使います」
DELE 1 +OK message deleted
芽衣子 「じゃあ、削除しないとどこでも見られるというわけね」
成沢 「そうなんだけど、サーバにメールためっ放しにするのは勘弁してくれないか」
芽衣子 「そして、QUITコマンドで終了します」
QUIT +OK
正男 「これらのことをメーラーは受信したときに自動的にやっているんですよ」
芽衣子 「分かったわ。ありがとう。私は作業があるからこの辺でいいかしら」
メモを熱心に取りつつ、2人に早く立ち去れと暗に迫る芽衣子さんです。
そして、2人がいなくなってすぐ、芽衣子さんは先ほど正男さんがログインしたユーザー名とパスワードを使って早速ログインしようと試みます。用意周到にやりとりはメモしていたのです。
芽衣子 「これでアイツの秘密がつかめるかもね、うひひ」
お、ログインに成功したわ。 メールが1通来てるから見てやれ。
RETR 1 +OK Message follows(ヘッダ略) 仕事熱心ですね。これからも勉強に励んでください。m9(^Д^)プギャー
芽衣子 「ムキー! だまされたわ! 訴えてやる」
顔を真っ赤にしながら机に手をたたきつける芽衣子でした。
今回のおさらい
「受信なのですが、実は2種類のやり方があります。POP3とIMAP4です」
※それぞれPOP3はPost Office Protocol version 3、IMAP4はInternet Message Access Protocol version 4の省略形です。
「POP3はこのように受信したメールを芽衣子さんのメーラーが読むと、メールサーバのメールを消すことになります」
※メールサーバのメールを消さないようにすることもできます。
「ユーザーのミスでサーバのメールが消えて、復活できないからってこっちのせいにされちゃたまったもんじゃないからな。お前らで管理しろよってな」
※メールサーバのバックアップを取っていることも多いので、そこに残っていれば復活できます。
「ほとんどはメール本文とは関係ないから気にするな」
※メールの送信先や送信メーラーなどに関する情報が書かれています。
「そうなんだけど、サーバにメールためっぱなしにするのは勘弁してくれないか」
※ずっとためっぱなしにしていると、メールサーバが保存できる上限に達したときにメールの送受信ができなくなります。これでパニックになる人が少なからずいますので注意しましょう。
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