1年で99個のWebアプリケーション制作を達成したカヤックの「BM11」(ブッコミイレブン)。日々休まず開発しているBM11メンバーが、「開発現場に役立つおすすめツール」を厳選して紹介する。
はじめまして。面白法人カヤック、技術部所属の村瀬大輔です。昨年まで3年間、カヤックの新規開発ラボ「BM11」(ブッコミイレブン)に所属していました。
BM11の特徴は、徹底的に数字にこだわること。2007年の開発数は77個。2008年は88個。そして2009年は99個のWebサービスをリリースすると目標に掲げました。目標数は、期初に決まっています。この数字をクリアすべく、あの手この手を使い、チーム一丸となったりならなかったりしながら目標にコミットしています。
3年連続で目標を達成した後、ラボチームは解散しました(現在は「BM11解散記念セール」として、これまで作ったものを販売しています)。そして今年は、「お年寄りも楽しめるWebサービス」をテーマにしたラボチーム「BMSilver」(ブッコミシルバー)で、「半年で12個のWebサービスをリリースする」という数字目標を掲げ、おじいさんとおばあさんに喜んでいただけるようなWebサービスを開発しております。
さて、このように毎年大量のサービスを作成するためには、効率的な開発環境が重要になってきます。今回は、主にプログラマの開発をスムーズにするツールを紹介したいと思います。
本日紹介するツールのメニューはこちらです。
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●ホットキーでアプリケーション切り替え「QuickSilver」
Webアプリケーションエンジニアは、開発時に2、3の決まったアプリケーションしか使用しない人が多いでしょう、わたしの場合は、
という3つのアプリケーションを行き来しながら開発をしています。これらのアプリケーションを頻繁に切り替えて使用します。そのため、ホットキーを割り当てることで、アプリケーション切り替えのストレスをなくして作業効率をはかります。
Mac OS XではQuickSilverの「トリガー機能」を使用すると、アプリケーションにホットキーを割り当てることができます。わたしは、以下のようにキーを割り当てています。
Command-[ | Emacs (テキストエディタ) |
---|---|
Command-] | iTerm (ターミナル) |
Command-' | Firefox (Webブラウザ) |
このように、よく使用するアプリケーションはキー1つでいつでもアクティブにできるようにしておくと、かなり効率が上がります。QuickSilverには、トリガー以外にもいろいろな機能があるので、ぜひ試してみてください。
●開発に集中するための通知サービス「im.kayac.com」
開発時の集中力を阻害する要因はいろいろ考えられます。メールやチャット、電話……などなど。
集中しているときはメールのことは考えたくないでしょう、しかし、まったくメールチェックをしなかったら緊急のメールを逃してしまうかもしれません。かといって、メール受信をすべて通知する設定にすると、メールを受信するたびに通知のポップアップが出て、集中力が削がれてしまいます。
チャットも同様です。開発案件でチャットを使う場合、開発チームのメンバーでグループチャットをしながら仕事を進めていくことになります。しかし、すべてのやりとりが自分に関係しているものではないでしょう。自分に関係のない話題でも、画面上にポップアップしてきてしまうと、仕事に集中できません。
「集中力を阻害するものは極力排除。けれど、必要なものだけは通知してくれる」――そんな欲張りなツールがあったらいいのに……。
というわけで、作ってみました。「im.kayac.com」は、プログラミングをストイックにしたい人向けのツールです。このサービスでは、EメールもしくはAPIから、ユーザーのGoogleトーク(Jabber)クライアントやiPhoneに通知を行うことができます。
例えば、Gmailを使用している場合。自分が受け取りたいメール(自分の名前が入っているなど)のためのフィルタを作成します。そして、そのフィルタからim.kayac.comで発行したメールアドレスへの転送設定を行うと、自分の名前が入ったメールを受信した時だけ通知してくれます。
チャットも同じです。クライアントアプリケーションのスクリプトやtiarraなどのプラグインとしてim.kayac.comのAPIを使用することができれば、IRCチャットで自分の名前が呼ばれた時だけ、JabberかiPhoneに通知することが可能です。
こうしておけばチャットの画面を気にすることなく、作業に集中することができます。
Skypeチャットの場合は、グループチャットごとに通知の設定を変更することができます。以下のように指定したキーワード(本名やニックネームなど)を受信したときのみ通知を行うようにすると、作業に集中できるでしょう。
カヤックの開発陣では、「im.kayac.com」を導入して効率が5%くらい上がりました(あくまで当社比ですが)。ネットでの評判もまずまずのようです。
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