プログラミングのキホン、if文を使ってみよう!初心者のためのJavaScript入門(4)(2/2 ページ)

» 2010年05月31日 00時00分 公開
[小島尚基有限会社インテレクトキューブ]
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色々な条件をつけてみよう

 「==」と「!=」のほかにも条件がつけられます。

 例えば、踏切が鳴り始めて遮断機が降りてきても、ダッシュで渡ってしまう人がいますね。降り始めはダッシュで行けるとしても、半分ぐらいまで遮断機が降りていたら止まるとします(仮の話です。踏切が鳴り始めたら止まりましょう)

 これをif文で表してみましょう。今までは変数「shadanki」の値が「0」だったら「遮断機は降りていない」状態、「1」だったら「遮断機は降りている」状態としていましたが、今度は、遮断機の降り具合を0〜9の10段階で表現してみましょう。

 「0」を「遮断機はまったく降りていない」状態として、「9」は「遮断機が完全に降りている」状態とします。そうすると、「5」は「遮断機が半分ぐらい降りている」状態と考えることができますね。

 「遮断機が半分ぐらい降りていたら止まる」という人をif文で書くとこうなります。

<html>
  <body>
    <script type="text/javascript">
      function handan(shadanki){
        if(shadanki > 4){
           document.getElementById("kekka").innerHTML = "止まる";
        } else {
           document.getElementById("kekka").innerHTML = "進む";
        }
      }
    </script>
    <input type="text" id="num">
    <input type="button" value="判断" onclick="handan(num.value)">
    <div id="kekka">ここに判断結果を表示します</div>
  </body>
</html>

フォームに「0」を入力して「判断」ボタンを押してください。

「進む」が表示されたでしょうか。

 「shadanki = 0」は「遮断機はまったく降りていない」ので「進む」が表示されます。フォームの数値を1ずつ増やしてみてください。「4」までは「進む」が表示されます。「5」になると、

と表示されます。これは、条件が「shadanki > 4」になったからです。

 「>」は「より大きい」と読みます。つまり「shadanki > 4」を日本語に訳すと、「shadankiが4より大きい」ときという条件になります。このとき「4」は条件に含みません。「5以上」が条件に当てはまることになります。

 4を条件に含めたい場合は「shadanki >= 4」と書きます。

 これを日本語に訳すと「shadankiが4以上」のときとなります。「>=」なので、「より大きいか、等しい」と覚えてもいいですね。

 「より小さい」は「<」になります。例えば「shadanki < 4」は「shadankiが4より小さい」ときという条件になります。「shadanki < 4」もさっきと同じく「4」は含みません。「3以下」が条件に当てはまることになります。「shadankiが4以下」という条件にしたいときは、「shadanki <= 4」と書きます。「<=」は「より小さいか、等しい」と覚えてもいいです。

条件を組み合わせてみよう

 複数の条件を組み合わせたいときは、どのように書くのでしょうか。

 例えば、「変数aが3より大きくて、6より小さいとき」のように「○○かつ●●」のようなときは、条件を「&&」という記号でつないで、「a > 3 && a < 6」のように書きます。

 「変数aが0か5」のように「○○または●●」のようなときは、条件を「||」でつないで、「a == 0 || a == 5」のように書きます。これは特に説明の必要はありませんね……。

 複数の条件で、それぞれ違う結果を表示したいときは、「else if」を使います。さっきの踏切のサンプルに戻って、「もし遮断機が6割より降りていたらあきらめるけど、4割から6割まで降りているときはダッシュする。それ以外なら普通に進む」というような条件をif文で書くとこうなります。

<html>
  <body>
    <script type="text/javascript">
      function handan(shadanki){
        if(shadanki > 6){
           document.getElementById("kekka").innerHTML = "止まる";
        } else if(shadanki >= 4) {
           document.getElementById("kekka").innerHTML = "ダッシュ";
        } else {
           document.getElementById("kekka").innerHTML = "進む";
        }
      }
    </script>
    <input type="text" id="num">
    <input type="button" value="判断" onclick="handan(num.value)">
    <div id="kekka">ここに判断結果を表示します</div>
  </body>
</html>

フォームに「0」を入力して「判断」ボタンを押してください。

数字を1ずつ増やしてみてください。

「4」になると、

と表示されます。

「7」になると、

になります。

 if文の組み合わせ方はほかにもあります。

 「もし遮断機が4割以上降りてきているとき、6割よりも閉まっていたらあきらめるけど、そうじゃなかったらダッシュする。それ以外なら普通に進む」という条件にします。

 日本語を組み替えただけで、動作(結果)としてはさっきのサンプルと同じですが、if文の書き方が変わります。

<html>
  <body>
    <script type="text/javascript">
      function handan(shadanki){
        if(shadanki >= 4){
          if(shadanki > 6) {
            document.getElementById("kekka").innerHTML = "止まる";
          } else {
            document.getElementById("kekka").innerHTML = "ダッシュ";
          }
        } else {
           document.getElementById("kekka").innerHTML = "進む";
        }
      }
    </script>
    <input type="text" id="num">
    <input type="button" value="判断" onclick="handan(num.value)">
    <div id="kekka">ここに判断結果を表示します</div>
  </body>
</html>

フォームに「0」を入力して「判断」ボタンを押してください。

数字を1ずつ増やしてみてください。

「4」になると、

と表示されます。

「7」になると、

 このように、「if文の中にif文を書く」ことを「if文のネスト(入れ子)」と言います。入れ子になっているのは見れば分かるので、特に「ネスト」という用語を無理に覚える必要はありませんが、「入れ子になっている」と言うより、「ネストになってる」と言うとそれっぽいです。

サンプルを理解してみる

 if文をYES/NOチャートにすると分かりやすいかもしれません。最初の「else if」のサンプルをYES/NOチャートにするとこうなります。

 チャートを見ると、サンプル5行目の「遮断機が6割よりも降りているかどうか」を判断しています。もし6割よりも降りていたら「あきらめて止まる」し、6割より降りていないNO側に進むと、そこで今度は7行目の「遮断機が4割以上降りているかどうか」を判断します。4割以上降りていたら「ダッシュで渡る」、4割以上降りていなかったら「普通に渡る」になります。このように「else if」は「NO側」に新たな条件判断を付け足すときに使えます。

 今度は「if文のネスト(入れ子)」の場合をYES/NOチャートにしてみます。

 チャートを見ると、「else if」と違って「YES側」に条件判断が付け足されているのがすぐに分かりますね。最初に5行目で「遮断機が4割以上降りているかどうか」を判断します。4割以上降りていなかったらNO側の「普通に進む」です。4割以上降りていたら、さらに6行目で「6割よりも降りているかどうか」を判断します。6割よりも降りていなかったら「ダッシュ」するし、降りていたら「あきらめて止まる」になります。

 条件の付け方は、JavaScriptの知識というよりも、考え方の問題かもしれません。最終的には同じ動作や結果としても、条件の付け方とif文の書き方は1つではないです。よりスマートな条件を付け、エレガントなif文を書くように心がけましょう。

次回までの課題

 遮断機の近くに、お巡りさんがいるものとします。4割以上降りてきているとき、お巡りさんがいなかった場合だけダッシュすることにします(本当はお巡りさんがいてもいなくても止まってくださいね)。

 お巡りさんがいるかいないかはプルダウンメニューで選ぶようにします。お巡りさんがいないときは「police.value」の値が「0」、お巡りさんがいるときは「police.value」の値を「1」にします。

 ソースはこうなります。

<html>
  <body>
    <script type="text/javascript">
      function handan(shadanki){
        if(shadanki >= 4){
          if(shadanki > 6) {
            document.getElementById("kekka").innerHTML = "止まる";
          } else if (police.value == 0) {
            document.getElementById("kekka").innerHTML = "ダッシュ";
          } else {
            document.getElementById("kekka").innerHTML = "止まる";
	  }
        } else {
           document.getElementById("kekka").innerHTML = "進む";
        }
      }
    </script>
    <select id="police">
      <option value=0 selected="selected">お巡りさんがいない</option>
      <option value=1>お巡りさんがいる</option>
    </select>
    <input type="text" id="num">
    <input type="button" value="判断" onclick="handan(num.value)">
    <div id="kekka">ここに判断結果を表示します</div>
  </body>
</html>

 このソースのif文には無駄があります。より短く書くにはどうしたらよいでしょう。

 皆さんは数字を1ずつ増やすとか、単純作業は好きですか? 今回のサンプルのように10回ぐらいの入力なら我慢できると思いますが、100回とか1000回入力するとなると大変ですね。次回は、めんどうな繰り返し処理をJavaScriptにやらせて楽をする方法をやりましょう。


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