Linux/UNIX系のOSやホスティングサービスのシステムなどをリモートから管理する場合、sshをサポートした端末ソフトウェアが必要だ。Windows環境でよく使われるsshクライアント「PuTTY」を紹介する。
対象ソフトウェア:Putty
TIPS「WindowsのTelnetクライアントの使い方」では、Windows OSに標準で用意されているTelnetクライアントソフトウェアのインストール方法や使い方を説明した。Telnetを使えば、(主に)LinuxやUNIXなどにログインして、リモートからシステムを操作したり、サーバプロトコルのデバッグを行ったりできる。
だが、リモートシステムにログオンする場合(特にインターネット上のサービスを利用する場合)、現在ではtelnetプロトコルではなく、通信内容を暗号化するsshの利用が求められていることがほとんどである。Windows標準のTelnetクライアントはsshをサポートしておらず、このような目的のためには利用できない。
Windows上でsshプロトコルによるリモートログインを行いたい場合は、サードパーティー製のsshクライアントソフトウェアが必要である。
Windows向けのssh/telnetクライアントソフトウェアとして、日本でよく使われているものとしては「PuTTY」や「Tera Term」「Poderosa」などがある。本TIPSではPuTTYについて紹介する。
「PuTTY]は、Simon Tatham氏が開発した、オープンソースの端末エミュレータソフトウェアである。sshプロトコルだけでなく、telnetやrlogin、シリアルポート通信などにも対応している。ただしオリジナルバージョンでは欧文文字しか表示できないので、日本語表示を可能にしたバージョンがいくつか開発されている。
本TIPSでは、PuTTY-ranvis版の利用方法を紹介する。Windows標準のtelnetよりも高速・高機能なので、sshだけでなく、telnet端末ソフトウェアとしても快適に利用できる。
PuTTYのオリジナルの最新版は、原稿執筆時点ではVer.0.67である。これを日本語化したものが以下のページで提供されている。
「ダウンロード」のリンク先から最新版のZIPファイルをダウンロードして適当なフォルダへ展開し、必要ならばショートカットを作成してスタートメニューなどにも登録しておく。英語版をインストールしておく必要はなく、このZIPファイルだけで日本語化されたPuTTYとして利用できる。putty.exeがPuTTYの本体、puttygen.exeが「PuTTY Key Generator(ssh用の鍵ペア生成アプリ)」である。
手動で展開したりショートカットを作成したりするのが面倒なら、オリジナルの英語版をいったんインストールしてから日本語版のファイルを「上書き」してもよい。
上のページにあるインストーラ(putty-0.67-installer.msi)をダウンロードして、まず英語版PuTTYをインストールする。
英語版のインストール後、PuTTY-ranvis版のZIPに含まれるファイル(〜.exeや〜.ini)やフォルダ(Japaneseフォルダ)をインストール先のフォルダに「すべて上書き」する。
以上、いずれの方法でインストールしてもよいが、最後にインストール先のJapaneseフォルダにある3つの「〜.lng」という言語リソースファイルを、putty.exeファイルのある場所(1つ上のフォルダ)へ全部コピーしておく。さもないとダイアログやメッセージが英語のままになり、日本語で表示されない。
Putty.exeを起動すると、次のような画面が表示される。ダイアログメッセージが英語の場合は「〜.lng」というファイルが正しくコピーされていないので、再確認すること。
sshサーバにパスワード認証方式で接続するには、[接続タイプ]を[SSH]にして、接続先のホスト名やIPアドレスを入力し、[開く]ボタンをクリックする。
正しく接続できると次のような画面が表示されるはずである。
最初の1回はこのようなセキュリティの確認画面が表示されるので、[はい]をクリックして先へ進める。
するとターミナル画面が表示されるので、ユーザー名とパスワードを入力してログインする。
SSHのログイン方式には、以上のようなパスワード認証方式の他にもう1つ、公開鍵認証を使う方式がある。具体的には、PuTTYgenツールを使って最初に暗号鍵ペアを作り、それを使ってログインする。詳細についてはTIPS「公開鍵認証でSSH2サーバにログインする(PuTTY編)」を参照していただきたい。
PuTTYの画面設定や文字コード、フォントサイズ、設定などを変更したければ、ウィンドウ左上のアイコンをクリックしてメニューを表示させて操作する。Windows標準のtelnetと違ってUTF-8もサポートされているので、UNIX/Linux系のOSにも問題なく接続して利用できる。
PuTTYの設定(文字フォントや文字コード、その他の設定)は、接続先ごとに変更できる。設定を変更後、セッションの保存画面(最初の画面「PuTTYの起動画面」参照)で名前を付けて保存しておけば、次回からはその設定が自動的に適用される。
■更新履歴
【2016/09/14】「PuTTYごった煮」版がすでに開発終了しているので、「PuTTY-ranvis」版をベースに内容を更新しました。
【2010/06/25】初版公開。「PuTTYごった煮」版をベースに解説。
■この記事と関連性の高い別の記事
Copyright© Digital Advantage Corp. All Rights Reserved.