JBoss jBPMとは、業務フローに対応したビジネスプロセス管理用システムで、前述のBPMSの機能を取り込んだプロダクトです。業務フローをグラフィカルに扱うことができ、業務フローをWebアプリケーションやWebサービス、リッチクライアントシステムに利用することもできます。jBPMライブラリはステートレスセッションBeanとしても利用できます。
JBoss jBPMはビジネスプロセスやユーザーインタラクションを、「待ち状態」「デシジョン」「タスク」「Webページ」などノードの図式として表現を可能にします。Eclipseプラグインを利用して編集し、グラフィックによる視覚化が可能です。
JBoss jBPMには、以下の特徴と機能が挙げられます。
またJBoss jBPMは、前述で説明したBPELの規格をサポートしています。これによりXMLベースでのプログラミングが可能です。
図式は簡単でとても読みやすい「jPDL」と呼ばれるXML表現を使用して定義されています。jPDLは、拡張可能な言語でありWebアプリケーションのページフローを定義することから、典型的なワークフローの管理、SOA環境におけるサービスのオーケストレーションまで対応します。
それでは、実際にJBoss jBPMをダウンロードして、サンプルを動作させる環境を構築しましょう。
開発環境には、本連載で使用しているJBoss Toolsを使用します。このJBoss Toolsに、すでにJBoss jBPMのプラグインは入っていますが、グラフィカルに扱うために別途「JBoss jBPM Process Designer」を使用したいと思います。
JBoss.orgのWebサイトから「jbpm-jpdl-suite-3.2.3.zip」をダウンロードしインストールしてください。ここでは、Cドライブ直下に解凍することにします。
本稿では、デザイナとサーバが含まれている「jbpm-jpdl-suite-3.2.3.zip」を使用してサンプルを実行していきます。
インストールが完了したら、JBoss Toolsを起動します。Eclipse上で[ウィンドウ]→[設定(P)]を選択します。
設定を開いたら、[JBoss jBPM]→[Runtime Location]を選択し、[Add]ボタンを押下します。
[Edit Location]ダイアログが開いたら、[Name][Location」を以下のように入力します。
jBPMを設定が完了したら、追加した設定の「Name」列にあるチェックボックスをチェックし、[適用]ボタンと[OK]ボタンを押下します。ここまでで、JBoss Toolsの設定は、完了です。
次に、プロジェクトを作成します。Eclipseの[ファイル]→[新規]→[プロジェクト]→[JBoss jBPM]→[Process Project]を選択し[次へ]ボタンを押下します。
プロジェクト名を入力し、[完了]ボタンを押下します。ここでは、プロジェクト名を、「projectJbpm」とします。
Eclipseの[パッケージ・エクスプローラー]から作成したプロジェクトを確認してみましょう。JBoss jBPMのProcess Projectは、以下のような構成です。
それぞれを展開してみましょう。
次ページでは、jPDLのグラフィカルインターフェイスで実際に、プロセス定義をしてみましょう。
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