Androidアプリの新たな可能性を開拓するアプリ内課金について、概要から利用方法、アプリへの実装の仕方まで詳しく解説する特集
Android Marketでは、アプリ内で閉じた決算が行える「アプリ内課金サービス(In-app Billing Service)」が2011年3月29日より正式に開始されました。
また、米T-Mobileと米AT&Tですでに行われているキャリア課金が、ソフトバンクモバイルやKDDI、NTTドコモでも開始されます。キャリア課金は通常のアプリ内課金と違い、クレジットカードによる決算を必要としないため、ユーザーがより購入しやすい形でサービスが提供されます。
本特集では、Androidアプリの新たな可能性を開拓するアプリ内課金について、3回に分けて詳しく解説していきます。Androidアプリの基本的な仕組み・作り方については、以下の連載を参照しておいてください。
▼Androidで動く携帯Javaアプリ作成入門
本連載で、SDKとEclipseを使ってAndroidの携帯端末で動くJavaアプリを作成し、Android Marketでの配布を目指しましょう「Smart & Social」フォーラム
アプリ内課金サービスとは、アプリ内でデジタルコンテンツを販売するためのAndroid Marketのサービスです。このサービスを利用することで、音楽や画像などのダウンロード可能なファイル、ゲーム難易度やポーションなどの架空のアイテム(俗に言う「アイテム課金」)など、幅広いコンテンツを販売が可能です。
アプリ内課金の特徴は、以下のとおりです。
以下はアプリ内課金サンプルの決済処理の画面遷移です。
左画面で、アプリ内で購入するアイテムを選択し「Buy」ボタンをタッチすることで、中央画面のAndroid Marketが提供するチェックアウト画面が表示され、ここで決済を完了すると、右のアプリ画面に戻り、購入したアイテムの個数が増えます。
アプリ内課金は、それを行うために特別なAPIが必要なわけでも、特別なハードウェアが必要なわけでもありませんが、以下の条件を満たす必要があります。
Android Marketの役割は決済であり、アプリ開発者は購入された商品が音楽や画像などのデジタルコンテンツであるなら、それらをユーザーに配送する責任があります。アプリ内課金で販売可能な商品は、音楽や写真、ゲーム難易度やアイテムなどのデジタルコンテンツのみで、実在する商品、サービス、その他物理的な配送が必要な商品を販売できません。
なお、アプリ内課金はテストを含めエミュレータでは動作できません。
アプリ内課金にAndroid Marketアプリなどが必要な点、Android Marketで配布しなければならない点については、次ページの「アプリ内課金のアーキテクチャ」で説明します。
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