AWSの自由自在なPaaS「Elastic Beanstalk」とはユカイ、ツーカイ、カイハツ環境!(23)(2/2 ページ)

» 2011年06月15日 00時00分 公開
[岡本隆史,@IT]
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【3】オートスケールの設定

 [Environment Details]の[Overview]タブの[Edit Configuration]をクリックすると、Elastic Benastalkの設定画面が表示されます。ここで、[Auto Scaling]タブを選択するとオートスケーリングの設定が行えます(図6)。

図6 Auto Scalingの設定 図6 Auto Scalingの設定

 最低のインスタンス数[Minimum Instance Cound]、負荷に応じてスケールさせたときの最大のインスタンス数[Maximum Instance Count]、クールダウン時間(サーバの増減を行ったときにサーバが起動完了して負荷状況が安定するまで待つ時間)、スケールさせる際の条件をの選択(CPUやI/O、ネットワークなどの値が一定時間以上しきい値を超えたとき)などを設定します。

 なお、この設定画面で、サーバの監視やデータベースの設定もできるので、興味がある方は試してみてください。

EclipseからElastic Beanstalkを使ってみよう

 AWS Management Consoleを利用すると、簡単にElastic Beanstalkを使えることが確認できたと思います。しかしながら、実際のアプリケーションの開発はEclipse上で行うことが多いと思います。

 AWS Toolkit for Eclipseを利用すれば、Eclipse上からアプリケーションを直接デプロイできます。早速ですが、AWS Toolkit for Eclipseを利用してEclipseから使ってみましょう。

準備

 AWS Toolkit for Eclipseは下記のアップデートサイトからインストールできます。

  • http://aws.amazon.com/eclipse/

 インストール時には、全てのプラグインにチェックを入れてインストールします。インストール後、Eclipseの設定画面でAWS Toolkitの設定を行います(図7)。AWSのアカウント情報や、証明書、秘密鍵などを設定します。

図7 AWS Toolkitの設定画面 図7 AWS Toolkitの設定画面

 また、外部ツールの設定で「Putty」を設定しておくと、Amazon EC2のインスタンスからSSHでログインできるようになります。

アプリケーションの作成・デプロイ

 AWSの設定を行うと、Eclipseの新規作成のメニューからAWSプロジェクトの作成ができるようになります(図8)。

図8 AWSプロジェクトの作成 図8 AWSプロジェクトの作成

 ここでは、「AWS Java Web Project」を作成してみましょう。作成したプロジェクトを右クリックし、[Amazon Webサービス]→[Deploy to AWS Elastic Beanstalk]を選択することにより、Elastic Beanstalkにアプリケーションをデプロイできます(図9)。

図9 Elastic Beanstalkへのデプロイ 図9 Elastic Beanstalkへのデプロイ

 デプロイを選択すると、リージョン、アプリケーション名、環境名(アプリケーションの実行環境)を聞いてきます(図10)。

図10 アプリケーション情報 図10 アプリケーション情報

 必要に応じてキーペアとSSL証明書ID、アプリケーションの死活監視を行うURLを入力します。問題が起きたときに通知するEmailアドレスも入力できます(図11)。

図11 オプション 図11 オプション

 最後に、アプリケーションのバージョン番号を入力すると、[サーバー]ビュー上に起動したアプリケーションが表示されます(図12)。

図12 起動画面(画像をクリックすると、拡大します) 図12 起動画面(画像をクリックすると、拡大します)

 サーバをクリックすると、エディタに起動したアプリケーションの詳細情報が表示されます。ここで、Environment URLに表示されたURLをクリックすると、起動したアプリケーションのWebページにアクセスできます。オートスケーリングの設定や、Amazon Management Consoleの表示なども、この画面からできます。

 AWS Toolkitのデプロイ機能はEclipseでWebアプリケーションを行うためのWTPをベースとしているので、WTPと同じように変更したアプリケーションの再デプロイや、サーバの停止なども行えます。

「PaaSは制約がイロイロあるし……」という人こそ

 実際にElastic Beanstalkを利用することにより、他のPaaSと同じように簡単にアプリケーションをデプロイ、実行さらにスケールアウトできることが確認できたと思います。

 PaaSサービスは他にもいろいろありますが、やはりElastic Beanstalkの最大の売りは「制約が緩い」ことでしょう。Elastic Beanstalk上で動作するアプリは、実際にはAmazon EC2の仮想マシン上で動作しているので、他のサイトとの連携処理や、スレッド/プロセス呼び出し処理など、他のPaaSでは難しい処理も簡単にできますし、データベースも用途に応じたものが選択できます。「PaaSを利用したいけど、いろいろ制約条件が……」と思っている方は、ぜひElastic Beanstalkを使ってみてください。

 AWS Elastic Beanstalkのより詳細な紹介についてはAmazon Web Servicesのサイトをご覧ください。


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