メッセージとアドレス帳のインポートに続いて、メール・アカウントの設定をインポートする作業に移る。
3. [インターネット メール クライアントの選択]ダイアログで、[インポートする電子メール クライアント]として[Microsoft Outlook Express or Microsoft Windows Mail]を選択していることを確認してから、[次へ]ボタンをクリックする。
4. これによりインポート操作を行うが、その際にインポートした結果を確認/修正するプロセスが必要になる。まず、メールの差出人として使用する表示名を確認して、問題がなければそのまま、間違っていた場合には修正してから[次へ] ボタンをクリックする(以後も同様)。
5. 次の画面で、差出人のメール・アドレスを確認する。
6. 次の画面で、メール・サーバの設定を確認する。[受信メール サーバーの種類]でPOP3/IMAP4の別を、[受信メール(POP3またはIMAP)サーバー]と[送信メール(SMTP)サーバー]でサーバのホスト名を確認する。SMTPサーバがユーザー認証を必要とする場合、[送信サーバーは認証が必要]チェック・ボックスをオンにする。
7. 次の画面で、受信用のメール・サーバで使用するユーザー名を確認する。[パスワード]は空白になっているので、入力してから続行する。このとき、[パスワードを保存する]のチェック・ボックスをオンにすることで、記憶させることもできる。
8. 次の画面で、メール・サーバに接続する通信手段を選択する。LAN接続、電話回線経由での接続、サードパーティ製のダイヤルアップ・ツールによる接続の選択が可能だ。
9. 次の[設定完了]画面で、[今は電子メールをダウンロードしない]のチェック・ボックスをオフにして、[完了]ボタンをクリックする。
10. 以上の作業で、メール・アカウントのインポートが完了する。
メッセージとアドレス帳がインポートできているかどうかを確認する。メッセージについてはOutlook 2010の[受信トレイ]以下を、アドレス帳については[連絡先]をそれぞれ確認する。Outlook 2010は独立したアドレス帳を持たず、アドレス帳の情報は[連絡先]に格納するからだ。
メール・アカウントの情報についても確認が必要だ。送受信を行う前に、アカウント設定画面の内容を確認する方がよいだろう。
インポートと確認の作業が完了したら、Outlookが使用しているデータ・ファイル(*.PST)の所在を確認しておこう。Outlookではメッセージとアドレス帳(連絡先)、さらにスケジュールやタスクなど扱うすべての情報を単一のデータ・ファイルに記録しているため、それを喪失した場合の損失は大きなものになるからだ。それを防ぐためにデータをバックアップするには、まずデータの所在を把握する必要がある。
この確認作業は、先に使用した[アカウント設定]ダイアログの[データファイル]タブで行える。一覧には「*.PST」ファイルの所在がフルパスで表示されているので、それを見ればファイル名とフォルダの確認が可能だ(コントロール・パネルの[ユーザー アカウントと家族のための安全設定]の[メール]を実行して、[メール設定 - Outlook]ダイアログの中段にある[データファイル]をクリックする方法も利用できる)。
ここまで解説してきた手順により、メッセージ、アドレス帳、メールアカウント設定についてはOutlook 2010への移行が可能である。しかし、これらの情報以外は移行できない点に留意する必要がある。
例えば、受信メールの自動振り分けに使用する「ルール」の設定は移行できない。これは、Outlook Expressと比較するとOutlook 2010の方が機能を拡張しており、互換性がないためである。同様に、両者で互換性がない「フラグ」や「会話」の設定も移行できない。
なお、「禁止された送信者の一覧」については、ここまで述べてきた方法では移行できないが、Outlook Expressが動作しているWindows XPの側で該当するレジストリ項目の内容を「*.reg」ファイルにエクスポートすることで移行が可能だ。エクスポートした「*.reg」ファイルをメモ帳などで開き、「Value=」に続けて記述してあるメールアドレスを抜き出し、メール・アドレスを1行ごとに1つずつ列挙したテキスト形式ファイルを作成する。それを、Outlook 2010の[迷惑メールのオプション]ダイアログにある[差出人セーフ リスト]タブ、あるいは[受信拒否リスト]タブでインポートすればよい。
このように、Windows XP上のOutlook Expressから別のコンピュータのWindows 7上のOutlook 2010にデータを移行させるのは複数のステップが必要になる。しかし説明した手順で作業を行っていけば、工数は必要なものの問題なく移行できるはずだ。Windows 7への移行に際して、Outlook 2010に乗り換えることも検討してみてはどうだろうか。
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