Makeならではの工作機械の出展も多く見られた。
CAD(コンピュータによる設計ツール)がまだ一般的でなかった1980年代からPCで動作するCADソフトリリースしていたAutodesk。プロ向けのCADソフト大手の同社は、フリーのCADソフト123Dシリーズをリリースし、ここ数年個人のMakerにもターゲットを広げている。
チームラボMake部では「3Dプリンタを個人で買ってみた」として、MakerBot Replicatorの設定を突き詰めて精度の高い3Dモデルを展示。会場内のMakerから質問が相次いでいた。
オープンハードウェアとして、回路図や部品図が公開されている3Dプリンタ、RepPapも出展
国内3Dプリンターメーカーのホットプロシードは、3DプリンタのBlade-1と、レーザー加工機のBlasterを出展。
もちろん、工作機械を買った人、売っている人だけでなく、自作している人も多く出展している。
Nossuが出展していた、Arduino制御の自作CNC。市販のハンドグラインダーをCNC(コンピュータ数値制御)でステッピングモータを利用して動かし、入力通りにモノを削ってくれる。実際にアルミ板加工などで使用中とのこと。
Fablabブースで出展されていたFabCoffee。同じく数値制御で正確に、ラテの上にアートを描いてくれる。これもある意味工作機械である。
Makerムーブメントの高まりを受け、Makerを対象にしたサービスやコミュニティの出展も多く見られた。
みんなでシェアする工作機械を備え、地域のfabスペースとなるのがFablabだ。日本ではつくば、鎌倉、渋谷にFablabがあり、世界20カ国に広まっている。今年は世界Fablab会議の会場に日本が選ばれているとのことで、会場募集のサインも見られた。
Make Ogaki Meetingでもレポートした、岐阜県大垣市のプロトタイピング施設、f.laboも出展。
千葉で子供向けにワークショップなどを行っているMAKEDOJO。Maker Faireでもサインペンやダンボールを使ったワークショップを開催。
画面上でブロックを組み合わせるような形でプログラミングするビジュアルプログラミング言語 Scratchのコミュニティ(前回まで「こどもプログラミングサークル “スクラッチ”」だったものが「OtOMO(オトモ)」に名称変更)も、毎回Maker Faireに出展している。近年はセンサボードなど、フィジカルコンピューティングのデバイスがScratchから扱いやすくなったことで、コンピュータからLEDやモーターを制御し、縫いぐるみを光らせるとか、ロボットを動かすといったことができるようになった。パソコン画面の中だけでなく、物理的なものを扱えるようになったことで、より子供が見たときの「グッとくる感じ」が上がったのではないだろうか。
手芸や革製品などのCRAFT系を中心に、個人で作ったものを販売するECサイトEtsyも、前回のMTMに続いて出展。手芸のワークショップなども行っていた。
国内Make事例サイト、Makeboothも大々的に出展。サイトの紹介の他、ガチャでプレゼントを当てる「マジカルガチャマシン」の展示や代表的な工作物の紹介など、全力でMaker Faireを盛り上げる展示で来場者の注目を集めていた。
チームラボMake部のゲストとして、日本のハードウェアベンチャー、Cerevoも出展。ハードウェア向けクラウドファウンディングサービスCerevo Dashにて支援募集中のイーテルミンを展示。岩佐社長、開発者でイグノーベル賞受賞者の塚田先生もブースに現れ、来場者の注目を集めていた。
アメリカのMaker Faireでは多くのブースで、Kickstarter上のプロジェクトを紹介して支援を依頼するリンクが見られたし、Make OgakiでもCerevo Dashの出展物が見られた。クラウドファウンディングとMaker Faireはとても相性が良さそうなので、次回は出展物が増えることを期待している。
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