iOSのVPNクライアントは、L2TP/PPTP/IPsecによるVPN接続をサポートしている。メニューの項目名など、iOSのバージョンによって若干異なるものの、基本的な操作方法は同じだ。以下では、iOS 6.1のiPod touchをベースとして解説する。
VPNの設定は、[ホーム画面]−[設定]−[一般]画面で、[VPN]をタップする。[VPN]画面で[VPN構成を追加...]をタップし、次の[構成を追加]画面で、「L2TP」「PPTP」「IPSec」のいずれかのプロトコルを選択し、サーバなどの設定を行う。
[F]
PPTPの場合、以下のような設定を行う。
設定項目 | 設定内容 |
---|---|
説明 | 分かりやすい接続名 |
サーバ | VPNゲートウェイのネットワーク・アドレス。「vpn.example.jp」といったFQDNか、またはIPアドレスで指定する |
アカウント | 認証に用いるユーザー名。ドメイン名が必要になる場合は、<ユーザー名>@<ドメイン名>で入力する。<ドメイン名>\<ユーザー名>で指定すると認証エラーになるので注意 |
RSA SecurID | RSA SecurIDのオン/オフ。Windows ServerのRRAS機能を利用している場合、通常はオフ |
パスワード | 認証に用いるパスワード。セキュリティ上、空白にしておき毎回入力するようにする |
暗号化レベル | 「自動」「最大」「なし」から選択可能。通常は「自動」にしておけばよい |
すべての信号を送信 | 通常は「オン」。ただし接続確立に失敗する場合「オフ」を試してみるとよい |
iOSのPPTPの設定 |
設定が完了すると、[設定]−[一般]−[VPN]の画面にVPNのエントリ(「説明」に入力した名称)が追加される。この画面の一番上にある「VPN」を[オン]にすると、VPN接続が開始される。VPN接続が確立されると、画面左上の[Wi-Fi]アイコンの隣に[VPN]アイコンが表示されるようになる。
VPNの構成を行うと、[ホーム画面]−[設定]画面の[Wi-Fi]の下に[VPN]が追加され、ここでオン/オフが可能になる。接続先が複数ある場合、[一般]−[VPN]の画面でVPNの接続先としてチェック(デフォルトの接続先に設定)しているサーバ(VPNゲートウェイ)に接続される。
このようにiOSでは、Windows 7/8と異なり、トンネリング・プロトコルの選択が必要になる。そのため、接続先のVPNゲートウェイに設定されているトンネリング・プロトコルが何なのか、管理者に確認しておくとよい。ただ、トンネリング・プロトコルが分かっていれば、設定可能な項目は最低限のものなので、設定に悩むことはないだろう。
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