Windows 7やWindows Server 2008 R2以降のOSでは、使用中の言語の設定に基づいて、一部のフォントをリストに表示させないようにする機能が用意されている。これを無効にしてすべてのフォントを表示させる方法を紹介する。
対象OS:Windows 7 / Windows 8 / Windows Server 2008 R2 / Windows Server 2012
Windows 7やWindows Server 2008 R2以降のWindows OSでは、[コントロール パネル]の[フォント]を開くと、次のようにいくつかのフォント・アイコンがグレーアウトした状態で表示される。
これが何を意味しているかを理解するには、表示形式を[詳細]に切り替えてみるとよい。[表示/非表示]という欄に注目すると分かるように、通常表示のアイコンでは「表示」となっており、グレーアウトしているフォントは「非表示」となっている。
フォントの「表示」と「非表示」は、アプリケーションでフォントの一覧を表示させた場合に、その一覧リストに表示されるかどうかを制御するための機能である。Windows 7やWindows Server 2008 R2以降で導入された機能だ。特に名前はないが、設定画面では「入力言語の設定に基づいて一部のフォントを非表示にする」と表記されている。
Windows Vista以前のOSではフォントをインストールすると、そのすべてのフォント名がアプリケーションのフォント・リストに表示され、フォントの検索が面倒になっていた。特にフォントを何百個も追加インストールしていると、その傾向が強い。
そこでWindows 7/Windows Server 2008 R2ではフォント名の一覧表示方法を改善し、現在の言語設定(キーボード設定)に応じて、関係ない言語のフォントの表示を省略できるようになった。フォントの設定で「非表示」としておくと、このフォント・リストに表示されなくなり、フォント・リストが簡潔になる。また、日本語とは関係ない言語のフォント(例えばMingLiUやYaHei、SimSun、Batangなど)の表示を抑制でき、間違って使用してしまうことを防止できる。
とはいえ、実はこの機能をサポートしているアプリケーションはあまりない。Windows OS標準のフォント選択ダイアログなどを使っているアプリケーションなら対応しているが、Windows OS付属のアプリケーションで言えばワードパッドやメモ帳ぐらいしかない。
以下にワードパッドのフォント選択画面を示す。使用中の言語によるフォントの表示/非表示切り替えが有効な場合(Windows OSのデフォルト状態)の画面である。
これに対してフォントの表示/非表示切り替えを無効にすると、次のようになる。言語に関わらず、現在インストールされているすべてのフォントが表示されている。
なお、ユーザーが後からインストールしたフォントは、すべてデフォルトで「表示」状態になるようである。
インストールされているはずのフォントが一覧に表示されない場合は、このデフォルト設定を変更して、すべてのフォントを表示させるようにするか、特定のフォントだけ、「非表示」から「表示」に変更するとよい。本TIPSではその方法を紹介する。
なおフォントを非表示に設定しても、すでに文書の中に含まれているフォントは通常はそのまま表示されるし、その部分のテキストを(フォント属性を維持したまま)編集することも可能である。だがアプリケーションにもよるが、新しく入力したテキストを選んで、非表示になっているフォントを直接指定する(フォント名のところに「Arial」などと入力する)ことはできないことが多い。
プログラム的な視点から言えば、フォントの表示/非表示切り替え機能はWindows OS標準のダイアログやAPIなどを使えば利用できるはずであるが、これに対応しているアプリケーションは実はほとんどない。例えば標準でインストールされているInternet Explorerですら、この機能を使っていない。対応させることは不可能ではないだろうが、場合によってはすべてフォントが選択できないと困るので(Internet Explorerはすべての言語のWebページを表示できないといけないので)、あえて対応していないのかもしれない。
言語に基づいた、フォントの表示/非表示切り替えを無効にするには、コントロール・パネルの[フォント]を開き、左側にあるメニューから[フォント設定]をクリックする。
すると次の画面が開くので、チェックボックスをオフにする。
この操作により、すべてフォントが「表示」状態になり、フォントの一覧に常に表示されるようになる。
設定を元に戻したい場合は、(1)のチェックボックスをオンにするか、[既定のフォント設定の復元]をクリックする。フォントごとの表示/非表示の設定がデフォルト状態に戻る(フォントを後から上書きでインストールしていない場合)。
すべてのフォントを表示させるのではなく、特定のフォントだけ表示させたり、非表示にさせたりすることもできる。
Windows OSには「Arial」や「Courier New」「Segoe」「Times New Roman」など、よく使われそうなフォントがデフォルトでインストールされているが、なぜかこれらのフォントは最初から「非表示」に設定されている(Officeなど、同じフォントが含まれるアプリケーションをインストールすると、この設定が変更されることがある)。例として、これらを表示状態に設定してみよう。
まずこれらのフォントを選び(複数選択可能)、メニュー・バーにある[表示]や[非表示]というリンクをクリックする。右クリックして、ポップアップ・メニューから選んでもよい。すると設定が変更される。
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