「802.11ac」の認定プログラムは6月開始、Wi-Fi Allianceが表明混雑する一方の電波、干渉緩和にも一役?

Wi-Fi Allianceは4月15日、仕様策定が最終段階に入った「IEEE 802.11ac」対応デバイスの認定プログラム「Wi-Fi CERTIFIED ac」を6月中に開始することを明らかにした。

» 2013年04月16日 08時00分 公開
[高橋睦美,@IT]

 Wi-Fi Allianceは4月15日、記者説明会を開催し、仕様策定が最終段階に入った「IEEE 802.11ac」対応デバイスの認定プログラム「Wi-Fi CERTIFIED ac」を6月中に開始することを明らかにした。

 Wi-Fi Allianceは、無線LANの普及、拡大を目的とする業界団体だ。802.11a/b/g/nなどの無線LAN仕様に関して相互接続性を検証する「Wi-Fi CERTIFIED」の認定を行っており、これまでに約1万5000種類以上の製品が認定を受けている。また近年は、接続性だけでなくユーザビリティの向上を目指し、SIM IDを用いてシームレスに無線LANに接続できる「Wi-Fi CERTIFIED Passpoint」や、動画や音声データのシームレスな伝送を可能にする「Wi-Fi CERTIFIED Miracast」などの認定にも取り組んでいる。

 そのWi-Fi Allianceが目下取り組もうとしているのが、既存の無線LAN規格との互換性を保ちながら、最高で1.3Gbpsの転送速度を実現する高速無線LAN規格、IEEE 802.11acに関する認定プログラム、Wi-Fi CERTIFIED acだ。ほぼ準備は完了しており、「仕様策定作業完了に先立ち、6月から認定プログラムを開始する」(Wi-Fi Alliance マーケティング&プログラムマネジメントディレクター ケリー・デイヴィス フェルナー氏)という。

 802.11acは5GHz帯の電波を利用する。これから市場に投入される製品の多くが、「2.4GHz帯を用いる802.11nと802.11acの両方に対応したデュアルバンド製品と見込まれる」(デイヴィス フェルナー氏)といい、電波の混雑による干渉などの問題の解決も期待できるという。「スループットの向上により、各デバイスが電波を専有する時間の短縮が見込まれるほか、現在主流の2.4GHz帯から5GHz帯への移行が進むことで、干渉などの問題解消につながる」(同氏)。

 その先には、3月に統合を発表した「WiGig」仕様も控えている。WiGigは、60GHz帯を利用する無線接続技術で、マルチギガビットクラスの転送速度を実現するとともに、低遅延という特徴を備えている。IEEEでは「802.11ad」として仕様策定が進んでおり、非圧縮HD動画の転送やリアルタイムのゲームなどへの適用が期待されている。

 Wi-Fi Allianceは先に、WiGigの仕様策定を進めてきたWiGig Allianceとの統合を発表。仕様策定ならびに認定に関する作業を集約し、2014年の早い時期に認定プログラムを開始する予定という。

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