Web製作の現場で、まず先にモバイルサイトから着手し、そのデザインが固まった後にPCサイトをデザインする「モバイルファースト」。日本マクドナルド、ANA、飲食店の事例も交えて実践方法を分かりやすく紹介する。
「モバイルファースト」という言葉は2009年にルーク・ウロブルスキー氏(Luke Wroblewski、以下ルーク氏)によって提唱され、その後 グーグルやアドビシステムズ、フェイスブックなどのカンファレンスで言及され、北米で認知が広がりました。2012年にWebDirectionsEastでルーク氏が来日して講演したこともあり、日本国内でもさまざまなメディアでこのキーワードを目にするようになりました。この記事では、モバイルファーストの本来の意味と実践時の注意点をお伝えします。
スマートフォンの市場はこの2、3年のうちに急速に普及し、手元にあり利便性が高いことから、ユーザーはあらゆるサービスを24時間場所を問わず利用するようになりました。FacebookやTwitter、YouTubeや天気サービス、乗り換え案内など、さまざまなサービスが利用できます。
しかし、これはまだ序章に過ぎません。モバイル端末の普及と併せて、端末の性能向上、ネットワーク環境の向上、M2MやO2O向けのハードウェアの登場などインフラ環境の整備が進むに従い、世の中のサービスや業務の仕組み自体がモバイルに最適化されていくでしょう。
この大きな流れを、私たちWebに関わる人はどうとらえるべきなのでしょうか。
ルーク氏がA Book Apartから出版している著書『モバイル・ファースト(MOBILE FIRST)』にはこんな一文があります。
-designing for mobile first not only prepares you for the explosive growth and new opportunities on the mobile internet, it forces you to focus and enables you to innovate in ways you previously couldn't.
(日本語訳)
―モバイルファーストの実践とは、モバイルインターネットの爆発的な成長にただ備えるだけではない。ユーザーが本当に必要とすることにフォーカスすることで、これまでできなかった方法でのイノベーションが可能になる。
私は、これがモバイルファーストの根幹を成すコンセプトだと考えています。
モバイルファーストは、Webの世界から生まれた概念です。これからはユーザーに最も近いモバイルWebから、サービスや業務の仕組みを考えていくことがより求められるようになるでしょう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.