ユーザーエクスペリエンス(UX)とは何か? ユーザーに愛されるWebサイトには、UXが貢献しています。UXとUI、IAを混同している方、必読です
ここ数年、Web業界で「ユーザーエクスペリエンス(以下、UX)」が注目を浴びています。Webディレクターや制作だけでなく、Webを企画したり発注するクライアントの立場の方や、マーケティングの方も目を向けるようになってきました。
なぜ、注目されるようになったのでしょうか?
UXについては制作や企画の方も知っておく必要があります。
UXへの誤解で多いのが、ユーザーエクスペリエンス(UX)とユーザーインターフェイス(UI)を混同されてしまうケースです。この記事では、このような言葉の違いが区別できるように、説明していきます。
ユーザーエクスペリエンス(UX)は、日本語では「ユーザー体験」と訳されます。Webサイト上のユーザーとは、“そのサイトを利用する人(利用者)”で、UXは「利用者が体験すること」という意味になります。
ユーザーとは「人」という意味ですが、同じ人を指しながら、企業からすると「顧客」であり、自分自身もユーザーであるといえます。ユーザーという言葉だと分かりにくいということから、HCD(Human Centered Design)の「Human:人間」と示すこともあります。
UXは「ユーザー体験」という意味ですが、HCDでは「人間、ユーザーに使いやすいデザイン」と明示しています。つまり、HCDとUXはおおむね同じ概念と思っていただいて構いません。
UXは、Web業界だけに限らず、広く一般的な意味で使われます。人間が体験する、生活すべてを対象にしているといっても過言ではありません。例えば、ディズニーランドでの顧客体験。買い物をする体験。食べ物を食べたときの体験。これら、すべてを意味します。
日本語の「体験」という言葉からは、実際に行う「体験」だけがUXかと思いがちですが、実際に体験すること以外も含まれます。商品名やパッケージデザインを見て、その商品をイメージしたり、妄想することもUXと呼びます。
これらの体験は、ユーザーの素性や属性によって異なります。例えば、男性と女性が同じものを見ても感じ方が変わります。国籍の違いによっても、異なるでしょう。主観や好み、人の意見さえ体験に影響を及ぼすといわれています。
マイケル・ジャクソンが大好きな人と、そうでもない人が、マイケルの秘蔵映像を見たときの感じ方は明らかに違うでしょうし、自分の尊敬する人や好きな人が「これはおすすめだよ」「これ好き」と言ったら興味を持ったり、好きになることもあります。
次のページから、UX、IA、UIの違いについて説明していきます。
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