このサービスでは、標準でファイアウォールとロードバランサが利用できます。今回は、クラスタ構成を組む仮想サーバの負荷分散の設定を行っておきます。
初期状態では、外部インターネットから接続できない設定となっているため、まず、インターネット接続のファイアウォールとロードバランサを設定します。
「インターネット接続のファイアウォール設定」画面を開きます。ファイアウォールの設定画面で、接続を許容するIPアドレス範囲やポート番号を指定します。ポート転送設定も可能です。
続いて、ロードバランサの設定で、負荷分散をするポート番号と負荷分散アルゴリズム(今回はラウンドロビンを設定)、負荷分散先の仮想サーバを選択し、クラスタ構成を組む仮想サーバ2台に負荷分散されるように設定します。
イントラネット接続のロードバランサも同様に設定します。
最後に、作成した仮想サーバのバックアップ設定を行います。
まず「バックアップ設定」画面でバックアップタイミングを設定します。設定例では、毎日深夜1時にバックアップを取ることとし、3世代までクラウド環境下に保存することにしています。
このサービスでは、バックアップデータは、東日本と西日本のデータセンターに同時に保存され、万一、東日本サイトに災害があった場合も、西日本に作成したBCP用専有サーバを用いて、バックアップデータから仮想サーバをリストアできます。
これでインフラの設定はすべて完了しました。所要時間は約15分でした。
以上、簡単ですがCloudStackが使用されているサービスの利用イメージを紹介しました。KDDIクラウドプラットフォームサービスはCloudStack機能を十分に生かしたIaaSクラウドサービスといえるでしょう。
今回の例では、従来のオンプレミス環境のシステム構築に比べ、約3分の1の時間で構築できました。
本稿冒頭で紹介したとおり、多数の企業がCloudStackを採用したサービスを提供しています。いずれもオンデマンドのプロビジョニングが可能で、システム構築の時間を大幅に短縮することが可能になります。
また、今後は社内に構築したCloudStackベースのプライベートクラウドと連携したハイブリッドな構成にも期待できるでしょう。各社とも従量課金など、手ごろに試しやすい料金体系でサービスを提供していますので、ぜひ一度試してみてはいかがでしょうか。
本稿は、下記執筆陣の共著です。
クリエーションライン株式会社 エンジニア 北川大輔
一般社団法人クラウド利用促進機構(CUPA) 荒井康宏
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