Windows 8 UIチューニング術運用(2/2 ページ)

» 2013年06月12日 11時19分 公開
[小林章彦デジタルアドバンテージ]
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ファイルの関連付けを変更する

 Windows 8では、画像ファイルやPDFファイルの関連付けがWindowsストア・アプリになっており、エクスプローラやアプリケーション(電子メールの添付ファイル表示など)でファイルを開こうとするとWindowsストア・アプリが起動するようになっている。Windowsストア・アプリのビューア・ソフトウェアは、残念ながら機能が不足していたり、使いづらかったりすることが多くあまり有用ではない。さらにWindowsストア・アプリが起動すると、一度[スタート]画面に戻らなければ、デスクトップ画面に戻れない(Windowsストア・アプリからデスクトップ画面に直接戻れない)など、使い勝手もよくない。

 そこで、ファイル拡張子とそれによって起動されるアプリケーションの関連付け(「既定のプログラム」という)を変更して、Windowsストア・アプリではなく、従来のWindows OSと同様、デスクトップ・アプリケーションで開くようにしよう。

 [コントロール パネル]−[プログラム]グループ−[既定のプログラム]を開き、[既定のプログラムの設定]をクリックする。[既定のプログラムを設定する]が表示されるので、左側の「プログラム」の一覧から関連付けを変更したいプログラムを選択し、右下に表示される[既定でこのプログラムで開く項目を選択する]を選び、プログラムに関連付けられている拡張子を変更すればよい。

[既定のプログラムを設定する]ダイアログの画面 [既定のプログラムを設定する]ダイアログの画面
ここでプログラムに関連付ける拡張子を変更する。Windowsストア・アプリに設定されている拡張子をデスクトップ・アプリケーションに変更することで、[スタート]画面側に移動しないようにする。
  (1)関連付けしたいプログラムを選択する。
  (2)このプログラムに関連付け可能な拡張子のすべてに対して、既定のプログラムにしたい場合は、ここを選択する。
  (3)個別の拡張子を選択して、既定のプログラムとしたい場合はここを選択する。 →[B]

[B]

[プログラムの関連付けを設定する]ダイアログの画面 [プログラムの関連付けを設定する]ダイアログの画面
ここで関連付けしたい拡張子を選択する。ここでチェックされた拡張子のファイルを開く際には、このプログラムが利用される。
  (1)このプログラムに関連付けしたい拡張子にチェックを入れる。
  (2)すべての拡張子を関連付けしたい場合は、ここをチェックする。

 デスクトップ画面側でファイルをダブルクリックして、「フォト」や「リーダー」、「ビデオ」などに関連付けられている拡張子を、「Windowsフォト ビューア」や「Windows Media Player」などに変更する。なおPDFファイルは、デフォルトではデスクトップ側に該当するアプリケーションがないので、Adobe ReaderなどのPDFビューアをインストールして、関連付けを行うこと。

■Internet Explorerが常にデスクトップで開くようにする

 電子メールやPDFファイル中に含まれているWebサイトへのリンクをクリックしたり、ショートカットを開くと、デフォルトでは現在使用している側のInternet Explorer(IE)が起動するようになっている。Windowsストア・アプリから起動するとWindowsストア・アプリのIEが起動し、デスクトップ・アプリケーションやエクスプローラから起動するとデスクトップ側のIEが起動する。

 常にデスクトップ側のIEが起動するようにするには、以下の手順で設定を行う。

  1. [コントロール パネル]−[ネットワークとインターネット]グループの[インターネット オプション]を開く。
  2. [インターネットのプロパティ]ダイアログの[プログラム]タブを開く。
  3. 「リンクの開き方を選択」のプルダウン・メニューから「常にデスクトップ用 Internet Explorer で開く」を選択する。
[インターネットのプロパティ]ダイアログの画面 [インターネットのプロパティ]ダイアログの画面
[プログラム]タブで、Windowsストア・アプリかデスクトップのどちらのIEを起動するかの設定ができる。
  (1)[プログラム]タブを開く。
  (2)常にデスクトップ側のIEが起動するようにするには、「リンクの開き方を選択」のプルダウン・メニューから「常にデスクトップ用 Internet Explorer で開く」を選択する。

 これで、Windowsストア・アプリ内のリンクであっても、デスクトップ側のIEが起動するようになる。これが不便ならば、デフォルトの「Internet Explorerで自動的に判定する」にしておけばよい。

拡張子や隠しファイルを表示させる

 デスクトップ画面でエクスプローラを起動し、[表示]メニューをクリックしてリボン・バーを表示する。ここで、[ファイル名拡張子]と[隠しファイル]にチェックを入れると、拡張子と隠しファイルが表示されるようになる。[オプション]をクリックすると、Windows 7などと同様、[フォルダー オプション]ダイアログが開くので、さらに細かな設定が可能だ。

Windows Explorerの画面 Windows Explorerの画面
  (1)[表示]メニューをクリックして、リボン・バーを表示する。
  (2)リボン・バーの「ファイル名拡張子」と「隠しファイル」にチェックを入れる。
  (3)[オプション]をクリックすると、[フォルダー オプション]ダイアログが開き、さらに細かな設定が行える。

パスワードの入力をスキップする

 セキュリティ的には脆弱になるが、自分しかユーザーがいなかったり、実験的な用途で何度もログオンを繰り返したりするような場合、パスワードの入力を不要にしておきたいこともあるだろう。このような場合、以下の手順で設定したユーザーによる自動サインインを有効にできる。

  1. Windows Explorerのアドレス・バーかチェーム・バーの「検索」に「netplwiz」もしくは「control userpasswords2」と入力して、「Enter」キーを押す。
Windows Explorerの画面 Windows Explorerの画面
Windows Explorerのアドレス・バーに「netplwiz」と入力して、「Enter」キーを押すと、[ユーザー アカウント]ダイアログが開く。
  (1)「netplwiz」と入力して、「Enter」キーを押す。→[C]

 2. [ユーザー アカウント]ダイアログが開くので、[ユーザー]タブの「このコンピューターのユーザー」でサインインするアカウントを選択する。

 3. 「ユーザーがこのコンピュータを使うには、ユーザー名とパスワードの入力が必要」のチェックを外す。

[C]

[ユーザー アカウント]ダイアログの画面 [ユーザー アカウント]ダイアログの画面
自動サインインの設定は、[ユーザー アカウント]ダイアログで行う。自動的にサインインしたいユーザーを選択後、「ユーザーがこのコンピュータを使うには、ユーザー名とパスワードの入力が必要」のチェックを外せばよい。これで、そのユーザーでパスワードの入力なしに、サインインできるようになる。
  (1)[ユーザー]タブを開く。
  (2)自動的にサインインしたいユーザーを選択する。
  (3)このチェックを外す。

 4. [OK]ボタンをクリックする。

 5. [自動サインイン]ダイアログが表示されるので、指定したユーザーのパスワードを入力する。

■Windows 8のロック画面を表示しないようにする

 またWindows 8では、起動時やスリープからの復帰時に自動的にロック画面となり、ここにWi-Fiの状態などが表示されるようになっている。ロック画面からサインイン画面に移行するには、何らかのキーを押すか、マウスでロック画面をクリックする必要がある。タブレットPCならば誤動作防止の効果があるが、デスクトップPCやノートPCの場合、ロック画面が表示される必要性はあまりなく、むしろログオンまでに操作が1つ増える分だけ、少々面倒となる。

Windows 8のロック画面 Windows 8のロック画面
タブレットPCなどを持ち歩く際に、画面に触れて誤動作しないようにするため、Windows 8では起動時やスリープからの復帰時にロック画面が表示されるようになっている。ロック画面からサインイン画面に移行するには、何らかのキーを押すか、マウスでロック画面をクリックする必要がある。
  (1)時間や日付などが表示される。
  (2)ここにネットワークの状態や未読のメッセージ数などが表示できる。

[注意]

レジストリに不正な値を書き込んでしまうと、システムに重大な障害を及ぼし、最悪の場合、システムの再インストールを余儀なくされることもあります。レジストリ・エディタの操作は慎重に行うとともに、あくまで御自分のリスクで設定を行ってください。何らかの障害が発生した場合でも、本Windows Server Insider編集部では責任を負いかねます。ご了承ください。


 そこでロック画面を表示しないように設定しよう。設定は、以下のレジストリを編集するのが手軽だ。

項目 内容
キー HKEY_LOCAL_MACHINEの\SOFTWARE\Policies\Microsoft\Windows\Personalization
値の名前 NoLockScreen
種類 DWORD(32bit値)
値のデータ 1(無効化)/0(有効化)

 このレジストリ値を「1」に設定すれば、ロック画面を非表示にできる。Personalizationキーはデフォルトでは存在しないので、新たに作成すること。これで起動時などにロック画面が表示されなくなる。このレジストリ・キーを削除するか、または「0」にすれば、再びロック画面が表示されるようになる。


 このようにWindows 8にツールをインストールしたり、設定を変更したりすることで、かなりWindows 7ライクな操作性を実現できる。UIを酷評されることが多いWindows 8だが、[スタート]ボタン/メニューを追加するツールをインストールするだけでも、かなり使い勝手が向上して、使いやすいOSとなる。前述のとおり、こうしたツールが数多く提供されているので、いろいろと試してみて、お気に入りの1つをぜひインストールしてほしい。

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