SAPジャパンは6月27日、SAP HANAの最新サービスパック(SP)である「SAP HANA SP6」の提供を開始した。SP6の特徴は、HadoopやSybaseなどほかのデータウェアハウス等へ対応した点だ。SAPジャパン バイスプレジデント ビジネスソリューション統括本部長 堀田徹哉氏は、「今回のSP6では、研究開発からマーケティングや販売、メンテナンスに至るまであらゆるデータが多様化している昨今に対応するべく、新しいデータソースへ対応し、迅速なデータアクセスを提供したい」と説明した。
HANAは3年前のリリース以来、ほぼ半年おきにSPをリリースしており、前回のSP5では同社のERP「SAP Business Suite」に対応。SP5の出荷は5月末だったが、その後1カ月間ですでにグローバルで100社超がHANA上でERPを動かしており、日本でも新規のERPユーザーはHANAを選んでいるという。
ERPに対応し、一通りのアプリケーション対応を終えたことで、今後はHANAを“リアルタイムデータプラットフォーム”とするべく、各種データへの対応に注力していく。
堀田氏は「HANAを見れば、ほかのアプリケーションや、ほかのデータベースも見えるようにすることが目的。HANAが異機種システム間の連携を強化するハブとなることで、ビッグデータのリアルタイム処理基盤として企業内で利用されるようになる」と、その意図を語った。
SP6で新たに実装したのは「スマートデータアクセス機能」。この機能は、HANA内でデータ仮想化技術を利用することで、さまざまなデータが混在するリレーショナル/非リレーショナルデータベースに対して、動的なクエリを実現するというもの。現在は、Hadoop(Hive)、SAP Sybase ASE、SAP Sybase iQ、Teradataに対応している。
開発者向けの機能強化では、効率的なモデリングをサポートするためにGUI対応した。また、HANAの機能をセルフ学習するための教材やベースラインモデル、YouTube教材なども提供する。
SAPジャパン ビジネスソリューション統括本部 リアルタイムプラットフォーム部 シニアマネージャー 大本修嗣氏は、「HANAのエコシステムは着実に広がっている。AWS上でのHANA利用は700社を超えた。HANA Enterprise Cloudへの関心も高い。日本でのHANA普及に伴い、HANA認定コンサルタントも増加しており、国内ですでに300名を超えた。このようにHANAは着実に企業に浸透しているといえるだろう」と自信を見せた。
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