新型Nexus 7 vs iPad mini タブレット十番勝負!ドリキンが斬る!(5)(2/3 ページ)

» 2013年08月30日 18時00分 公開
[ドリキン,サンフランシスコ在住ブロガー]

4.クラウドサービス

 結局のところ、iPad miniにするか/Nexus 7にするかは、iCloudとGoogle Appsのどちらのサービスをメインで使いたいかが最重要になると思います。

 ずっとiPhoneユーザーでiCloud系のサービスに依存していれば、Nexus 7でiCloudメールを読むのも不便ですし、Safariとの連携もできません。

 一方で、PCのメインブラウザがGoogle Chromeの場合は、Nexus 7と簡単にデータを同期できて非常に便利です。

 以前のiCloudはサービスや機能が少なかったですが、最近はどちらも主要なサービスは同じように提供しています。それに、グーグル系サービスの場合は、iOS上でもほぼ同様のサービスを提供しています。

 どちらかといえば、ここでの決め手は「どちらのクラウドサービスをメインで使っているか」ではないでしょうか。例えば、すでにiCloud系のサービスにドップリ依存しているのなら、iPad miniを購入した方がいいでしょう。

5.文字入力

 筆者にとって文字入力、特に日本語入力の使いやすさは、デバイスやOSを選ぶ上で、大きなポイントです。

 実際、筆者はiPadでブログを書く「iPadブロガー」を増やすべく、「Drift Writer」というiPad用のブログ向けHTMLエディタを開発しているほど、タブレット上での文字入力を重要視してます。

 ブログの更新は、主にiPadから行っています。文字入力の性能は、タブレットの性能に直結するといっていいほどです。

 そんな日本語入力に厳しい筆者から見た、文字入力の性能をiPad miniとNexus 7で比較してみると、これがまた悩ましい結果になります。

 まず、文字入力プログラムの性能だけで比較すると、英語・日本語入力ともにAndroidの方が優れています。特に日本語入力に関しては、PC版と同じ変換性能を持つGoogle日本語入力がそのまま使えるメリットはとても大きいです。

 ただ、Androidの文字入力に関しては、ほぼ唯一にして最大の弱点があります。

 それは、入力方法の切り替えが面倒ということです。どういうことかというと、Androidにおいては、キーボード入力の切り替え方法が統一化されておらず、iOSのようにキーボード上の地球儀アイコンによるワンクリックの切り替えができません。

 特に標準の英語キーボードとGoogle日本語入力の切り替えは、設定をすれば「英語キーボード」→「Google日本語」へはワンタッチで切り替わるのに、逆は「入力方法の選択オプションを呼び出し」→「メニューからキーボードを選択」というステップを踏まないと切り替えられません。

 もちろん、Google入力のままアルファベットの入力も行えますが、それだと英語キーボードの持つ英単語補完機能や、スワイプ入力が使えないので、英文入力には不便です。英語入力と日本語入力をあまり頻繁に切り替えないのであれば、大きな問題ではないかも知れませんが、筆者にとって、ここは大きなマイナスポイントです。

 iOSに関しては、サードパーティによる文字入力プログラムの開発は許されていないので、選択の余地はないのですが、切り替えの手軽さや入力レスポンスの良さが最大の魅力です。ただし、Nexus 4やNexus 7では、Androidの日本語文字入力のレスポンスが改善されているため、現状で大きな違いはありません。

 ハードウェア的な視点から文字入力を考えると、やはりNexus 7の画面比率は、縦でも横でもiPad miniと比べてソフトウェアキーボードが入力し難いです。個人的には、タブレットで文字入力する際は、縦持ちでのQWERTYキーボードが基本だったのですが、Nexus 7ではどうしても入力に慣れませんでした。

Google日本語入力のフリップ入力は左寄せ、右寄せなど柔軟なレイアウトが可能

 ある時、「もしや、Nexus 7はフリック入力の方が快適?」と思い付き、フリック入力に切り替え、かつ左寄せレイアウトに切り替えたら、劇的に打ちやすくなりました。これならば、十分快適な入力ができると手応えを感じています。

 ということで、文字入力に関しては、どちらも完璧ではないのですが、個人的にはGoogle日本語入力が使えるのでNexus 7に1票です。

6.サウンド

 サウンドに関しては、もう疑いなく新型Nexus 7に軍配が上がります。

iPad miniは左右で2chステレオ、Nexus 7は片側で1ch
Nexus 7は上面にもスピーカーがあり、両サイドで2chステレオ

 何といっても、フラウンホーファーの5.1chバーチャルサラウンドが、想像以上によく効いてます。YouTubeなどで普通にサウンドを再生しても、サラウンド感が十分に伝わってきますし、ボリュームも問題ありません。

 iPad miniのスピーカーもステレオですが、音の出口は本体底面に配置されており、スピーカー間の間隔も狭いため、ステレオ感をあまり感じません。Nexus 7の場合、スピーカーが本体を縦にして上下に配置されているのも、効果的なステレオ感を実現しています。

 ということで、サウンドに関しては、疑うところなくNexus 7の方が優れています。

7.バッテリ

 バッテリに関しては、厳密にベンチマークを取ったわけではないので、日常利用における体感的なものと受け止めてほしいのですが、どちらの製品にも特に不満がなく、「十分にバッテリが持つ」というのが筆者の印象です。

 筆者のようにスマホ(Nexus 4)とタブレットを併用して持ち歩いているような場合は、丸1日持ち歩いていても、iPad miniやNexus 7のバッテリ残量を気にすることは特にありません。

 2、3日持ち歩いていて、バッテリ残量が3分の1くらいになったタイミングで、おもむろに充電するくらいの感覚で使っています。

 スマホの場合は常にバッテリ残量が気になり、電源があると充電したい衝動に駆られる筆者が気にしないほどなので、ほとんどの場合、どちらの機種を使っても不満になることはないと思います。

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