続いて登場したのはJavaFXの顔としておなじみのRichard Bair氏とJasper Potts氏だ。そしてPotts氏の手にはなんとJavaで動作するというタブレットの試作機、「DukePad」が!
DukePadは設計が公開されおり、「誰でも買える部品で構成されているので(ケースを作るのに必要な)レーザーカッターさえあれば誰でも作れる」とした。
もちろん一般家庭にレーザーカッターがあるはずはなく、キットとして販売することも視野に入れているという。DukePadはハードウェアにRaspberry Piとタッチパネル液晶、カメラなどを、ソフトウェアにJava SE/JavaFXを採用しているという。そしてRaspberry Pi自体はGalaxy S4やCorei7搭載のPCと比べて、GeekBenchのスコアがずいぶん低いことを示した。
しかしGeekBenchはCPUとメモリアクセスのパフォーマンスに重きを置いており、GPUのパフォーマンスはあまり反映されないという。JavaFXは描画にGPUを活用するため、DukePadは、CPUと比べてGPUのパフォーマンスが優れているRaspberry Piの力を発揮できるという。
実際にDukePadを操作して計算機やメディアプレーヤーなどを使って見せ、一般的なタブレットとしてそれなりに動作することを示した。Raspberry Piにハードウェアのチューニングを施したり、Javaも今回のデモ専用のビルドを使ったりということはなく、通常のRaspberry PiとJava 8のウィークリービルドを使っているという。
そしてReinhold氏が「動画や写真などスムースに再生できるのは分かった。みんなが知りたいのは『チェスをプレイできるのか?』だよ」と聞くと、「もちろん」と再びチェスゲームが登場した。
今度はHTML5ではなくJavaFXベース、しかも3Dだ。WebSocketを介してデスクトップのブラウザとDukePadで対戦できることを示した。続いてReinhold氏が質問したのは「GeekBenchのスコアが圧倒的に低いRaspberry Piで、これだけの描画ができるなら、Core i7のマシンで動かしたらどうなる?」だ。今回の基調講演は芝居が凝っている。そこで登場したのはデスクトップのJavaFX版チェスゲームだ。
3Dであるだけではなく、スムーズなアニメーション演出が凝っている。3Dのモデリング、アニメーション製作はコストが掛かるが、OpenJFXの成果により、デファクトスタンダードであるMayaをはじめとする主要ツールのファイルをインポートして、JavaFXで使えるようになっているとのことだ。
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