Windowsストアアプリの機能が完成したら、実際にストアで公開する前に、アプリをお金に換えるための機能を実装しよう。今回はマネタイズの仕組みを解説する。
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ここまでの連載で、アプリの機能は完成した。次はWindowsストアでの公開といきたいところだろうが、その前に今回はマネタイズの仕組みについて学ぼう(次回は広告を実装してみる)。なお、本稿のサンプルコードは「Dev Center - Windows Store apps サンプル: Windowsストア・アプリ開発入門:第11回」からダウンロードできる。
Windows 8.1(以降、Win 8.1)用のWindowsストアアプリ(以降、Win 8.1アプリ)を開発するには、Win 8.1とVisual Studio 2013(以降、VS 2013)が必要だ。本稿では、Windows 8.1 ProとVisual Studio Express 2013 for Windows*1を使用している。また、前回終了時点のソースコードを用意しておいてほしい(「Windows Store app samples:Windowsストア・アプリ開発入門:第10回」からダウンロード可)。
*1 Visual Studio Express 2013 for Windows(製品版)はマイクロソフトのサイトから無償で入手できる。Expressエディションはターゲットプラットフォームごとに製品が分かれていて紛らわしいが、Windowsストアアプリの開発には「for Windows」を使う(「for Windows Desktop」はデスクトップで動作するアプリ用)。
「マネタイズ」のもともとの意味は、「お金に換えること」*2。必ずしも利益を上げることは意味しない。利益度外視で「Windowsストアの年間登録料(=約2千円)がペイできれば!」というレベルであっても、マネタイズである。
マイクロソフトがWindowsストアアプリに用意しているマネタイズの手段は、次の3つだ。
以上の3通りの手段について、次から解説していく。なお、その他に、サードパーティや独自のプラットフォームによる課金や広告も許されている。
*2 古い辞書で「Monetize」を引くと「To convert into money」と出てくる。日本ではもっぱら「収益を生み出すサービスにすること」という意味で使われ、利益を出すために行う行為を指すが、ここではその目的が利益を得ることにあるかどうかは問わない。
*3 MSDNの中で「アプリ内販売」と「アプリ内購入」の両方の訳語が使われている。
これはWindowsストアがサポートしてくれるため、アプリ側では何もしなくてもよい。アプリをWindowsストアに提出する際に、価格と無料試用期間を指定するだけである(次の画像)*4。
とても簡単である。ただし、試用期間無しではダウンロードしてもらえない可能性が高いだろう。また、試用期間が終わってしまうと、エンドユーザーがWindowsストアに行ってそのアプリの購入手続きをするまで、アプリは起動しなくなる。
なお、一度購入したエンドユーザーが再び課金されることはない。例えば、最初は無料でアプリを公開していて、後から有料に変更したとする。無料のときにそのアプリをインストールしたことがあるエンドユーザーは、たとえアンインストールしようとも利用する権利を失うことはなく、有料になった後で再度インストールしても料金を請求されることはないのである。
*4 Windowsストアにアプリを提出する手順は、次回で説明する予定だ。
有料アプリおよび次で説明するアプリ内販売の売り上げは、マイクロソフトと開発者で分配される。マイクロソフトが受け取る手数料は、30%または20%だ。
分配方法について詳しくは、MSDNの「支払いの受け取り」をご覧いただきたい。
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