第11回 アプリに広告を出す(前編:基礎知識編)連載:Windowsストア・アプリ開発入門(1/5 ページ)

Windowsストアアプリの機能が完成したら、実際にストアで公開する前に、アプリをお金に換えるための機能を実装しよう。今回はマネタイズの仕組みを解説する。

» 2014年02月06日 16時51分 公開
連載:Windowsストア・アプリ開発入門
業務アプリInsider/Insider.NET

powered by Insider.NET

「連載:Windowsストア・アプリ開発入門」のインデックス

連載目次

 ここまでの連載で、アプリの機能は完成した。次はWindowsストアでの公開といきたいところだろうが、その前に今回はマネタイズの仕組みについて学ぼう(次回は広告を実装してみる)。なお、本稿のサンプルコードは「Dev Center - Windows Store apps サンプル: Windowsストア・アプリ開発入門:第11回」からダウンロードできる。

今回実装した広告を表示している画面 今回実装した広告を表示している画面

事前準備

 Windows 8.1(以降、Win 8.1)用のWindowsストアアプリ(以降、Win 8.1アプリ)を開発するには、Win 8.1とVisual Studio 2013(以降、VS 2013)が必要だ。本稿では、Windows 8.1 ProとVisual Studio Express 2013 for Windows*1を使用している。また、前回終了時点のソースコードを用意しておいてほしい(「Windows Store app samples:Windowsストア・アプリ開発入門:第10回」からダウンロード可)。

*1 Visual Studio Express 2013 for Windows(製品版)はマイクロソフトのサイトから無償で入手できる。Expressエディションはターゲットプラットフォームごとに製品が分かれていて紛らわしいが、Windowsストアアプリの開発には「for Windows」を使う(「for Windows Desktop」はデスクトップで動作するアプリ用)。


Windowsストアアプリでのマネタイズ

 「マネタイズ」のもともとの意味は、「お金に換えること」*2。必ずしも利益を上げることは意味しない。利益度外視で「Windowsストアの年間登録料(=約2千円)がペイできれば!」というレベルであっても、マネタイズである。

 マイクロソフトがWindowsストアアプリに用意しているマネタイズの手段は、次の3つだ。

 以上の3通りの手段について、次から解説していく。なお、その他に、サードパーティや独自のプラットフォームによる課金や広告も許されている。

*2 古い辞書で「Monetize」を引くと「To convert into money」と出てくる。日本ではもっぱら「収益を生み出すサービスにすること」という意味で使われ、利益を出すために行う行為を指すが、ここではその目的が利益を得ることにあるかどうかは問わない。
*3 MSDNの中で「アプリ内販売」と「アプリ内購入」の両方の訳語が使われている。


アプリそのものを有料にする

 これはWindowsストアがサポートしてくれるため、アプリ側では何もしなくてもよい。アプリをWindowsストアに提出する際に、価格と無料試用期間を指定するだけである(次の画像)*4

Windowsストアのダッシュボードで価格と試用期間を設定する画面(Internet Explorer) Windowsストアのダッシュボードで価格と試用期間を設定する画面(Internet Explorer)
エンドユーザーへの販売価格を「1,000」円に設定して、無料の試用期間を設定するドロップダウンを開いているところ。 このダッシュボードを操作する手順は、次回で説明する。

 とても簡単である。ただし、試用期間無しではダウンロードしてもらえない可能性が高いだろう。また、試用期間が終わってしまうと、エンドユーザーがWindowsストアに行ってそのアプリの購入手続きをするまで、アプリは起動しなくなる。

 なお、一度購入したエンドユーザーが再び課金されることはない。例えば、最初は無料でアプリを公開していて、後から有料に変更したとする。無料のときにそのアプリをインストールしたことがあるエンドユーザーは、たとえアンインストールしようとも利用する権利を失うことはなく、有料になった後で再度インストールしても料金を請求されることはないのである。

*4 Windowsストアにアプリを提出する手順は、次回で説明する予定だ。


有料アプリの販売価格の分配

 有料アプリおよび次で説明するアプリ内販売の売り上げは、マイクロソフトと開発者で分配される。マイクロソフトが受け取る手数料は、30%または20%だ。

  • 売り上げの累積が2万5000ドル未満のアプリ:30%
  • 2万5000ドルに達した後:20%

 分配方法について詳しくは、MSDNの「支払いの受け取り」をご覧いただきたい。

       1|2|3|4|5 次のページへ

Copyright© Digital Advantage Corp. All Rights Reserved.

スポンサーからのお知らせPR

注目のテーマ

Microsoft & Windows最前線2025
AI for エンジニアリング
ローコード/ノーコード セントラル by @IT - ITエンジニアがビジネスの中心で活躍する組織へ
Cloud Native Central by @IT - スケーラブルな能力を組織に
システム開発ノウハウ 【発注ナビ】PR
あなたにおすすめの記事PR

RSSについて

アイティメディアIDについて

メールマガジン登録

@ITのメールマガジンは、 もちろん、すべて無料です。ぜひメールマガジンをご購読ください。