D言語実装のC/C++向け高速プリプロセッサー「warp」がリリース。D言語の設計者ウォルター・ブライト氏と米フェイスブックの共同プロジェクトの成果としてオープンソースで公開されている。
米フェイスブックは2014年3月28日、CおよびC++言語向けの高速プリプロセッサー「warp」をオープンソースとして公開したと発表した。
warpは、D言語の設計者でコンパイラー技術に詳しいウォルター・ブライト氏と米フェイスブックが共同プロジェクトで開発した。米フェイスブックでは、memcacheでバックアップされた複数のキャッシュレイヤーと組み合わせて分散型コンパイルを使った高度なビルドシステムを構築しており、GNUライセンスのプリプロセッサーであるcpp(C Preprocessor)の代替としてwarpを使っているという。
C++は解析が難しいことからC++パーサーは大型で低速になりがちな上、コード生成にも時間がかかり、「リンキング」の手順も大掛かりになるという問題があると米フェイスブックは指摘する。
これに対してGCC(GNU Compiler Collection)のプリプロセッサーをwarpに置き換えれば、リンキングも含めたエンド・トゥ・エンドの開発時間を大幅に改善できるという。大量のコードベースと依存性を伴う複雑なプロジェクトで、デバッグビルド速度を10〜40%改善できたとしている。
現時点でwarpのビルドはCentOS 6のみで検証済みで、いずれOSの公式サポートを増やしていく方針。warpを使うためにはD言語コンパイラーをダウンロードしておく必要がある。最大限のスピードを実現するために「gdc」(GNU D Compiler)の利用を推奨している。
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