ヴイエムウェア、vCloud Airの国内提供を正式発表、詳細が明らかに11月10日に提供開始

ヴイエムウェアは11月5日、同社イベント「vForum 2014」で、クラウドサービス「VMware vCloud Air」を11月10日に提供開始すると発表した。この発表とともに料金などの詳細が明らかになった。

» 2014年11月05日 12時29分 公開
[三木 泉,@IT]

[2014/11/06追記:今回の発表に関する追加情報を別記事として公開しました]

 ヴイエムウェアは、「VMware vCloud Air」を11月10日に提供開始すると発表した。同サービスの概要については何度かお伝えしているが、今回の発表で詳細が明らかになった。また、この発表はソフトバンクグループの役割を強調したものとなっている。なお、ヴイエムウェアはオーストラリアでもvForumを開催中で、こちらではテルストラとの提携によりvCloud Airを提供すると発表している。

 vForumの基調講演で、米ヴイエムウェアCEOのパット・ゲルシンガー(Pat Gelsinger)氏は、当社の考える「一般企業のIT戦略のあり方」を積極的に支えるクラウドサービスが、vCloud Air提供の目的だと説明した。多くの企業は、ITで柔軟性、即時性を高める一方、堅牢性、セキュリティを確保しなければならないと考えているが、これをトレードオフと考える必要はない、VMware vSphereベースの社内ITインフラと、vCloud Airによる企業向けクラウドサービスで、柔軟性、即時性、堅牢性、セキュリティの全てを手に入れられ、さらに社内とクラウドサービスを一括管理できると強調した。

 vCloud Airのデータセンター施設の運営およびネットワークサービスの提供を行うのはソフトバンクテレコム。ソフトバンク代表取締役副社長の宮内謙氏は、西日本にvCloud Airのデータセンターを置いているが、東北にも設置する予定があると基調講演で話した。

 vCloud Airの日本における当初の提供メニューは、顧客ごとに専用の物理インフラを割り当てる「専有型クラウド」、顧客間は論理的に分離する「仮想プライベートクラウド」、そしてクラウドへ災害時のシステム復旧ができる「Disaster Recovery」。デスクトップ仮想化、PaaSは2015年に提供開始の予定。また、米国では運用管理ツール、データベース、HDFS対応のオブジェクトストレージ、モバイル開発環境などのサービスを提供開始、あるいは提供予定であると、ゲルシンガー氏は話した。

 仮想プライベートクラウドの価格表を下記に示すが、vCloud Airのサービス体系、価格体系は一般的なパブリッククラウドとは異なる(オンデマンドサービスも将来提供予定)。まず、vCloud Airはヴイエムウェアから直接購入するのではなく、下記のようにパートナーから購入することになる。現在のサービスは、月単位または年単位の契約。また、リソースのサブスクリプションという考え方が取り入れられている。

仮想プライベートクラウドの利用料金

 仮想プライベートクラウドの場合、基本リソースは20GB分の仮想RAMと10GHz分の仮想CPUで6万4459円(推奨小売価格)。このリソースからどれだけの数の仮想マシンをユーザーがつくってもいい。リソースの割り当て直しも自由。追加リソースは「ばら売り」で購入する。また、ロードバランサー、フェイルオーバーの機能をデフォルトで提供することも、当社は特徴と考えている。

 ソフトバンクテレコムとソフトバンク コマース&サービスは、ソフトバンク本社内に体験コーナーを設置、またクラウド適性診断を提供するという。ユーザー組織は、ヴイエムウェアのディストリビューター、ソリューションプロバイダー、OEMパートナーから購入し、一次サポートを受ける。基調講演では、20社が国内販売パートナーとして紹介された。

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