シェン氏 AT&Tの方がこのようにおっしゃっていました、「私たちはテレコミュニケーションの会社ではありません。私たちはテクノロジの企業であり、その要素の一つにテレコミュニケーションがあるにすぎないのです」。
これは正しい表現です。ある意味、現代の全ての企業はテクノロジ企業であり、たまたまそれを使って実現していることが、銀行業務だったり、クレジットカード業務だったり、テレコミュニケーションであるにすぎないのです。
ドミノピザの例があります。ドミノピザはこの数年、毎四半期ごとに業績の新記録を更新しており、競合のピザハットやパパジョーンズの業績がほぼ横ばいなのに比べて、段違いに好調に業績を伸ばしています。なぜでしょうか?
それはドミノピザがテクノロジに投資しているからです。オンラインでの販売を強化し、独自のモバイルアプリケーションを開発しています。それによって顧客はより簡単にオーダーできるようになり、いつピザが配達されるかが瞬時に分かります。顧客一人一人がよくオーダーしているピザは何か、どんなカスタマイズされたピザが好きなのかも分かります。これらは全てテクノロジが可能にしたことです。ドミノピザは自分たちのことをテクノロジ企業だと考えているのです。このようなことがさまざまな業種の企業で起こっているのです。
阿部川 ドミノピザは、接客などのホスピタリティの教育にオンライントレーニングを多く活用しているとも聞いています。それによって、従業員の質が向上したことはもちろんですが、離職率も低くなる効果が出たそうですね。
シェン氏 その通りです。現代は、最初に就職した企業でキャリアを終えることはとても珍しく、しっかりした従業員教育を施さない企業では、離職率は30〜40%という恐ろしく高い率になっています。それに比べて、ちゃんと従業員教育を提供している企業の離職率は、15〜17%程度にまで下がります。
従業員教育によって、同じ企業内でも別の仕事の機会があることを従業員は認識できます。そして昇進や昇級、求める仕事に就けるといった、自身の新たな価値や可能性を従業員教育は与えてくれるのです。
新サービス「コーチング」や「奨学金制度」について、そしてワーキングマザーとしてシェン氏が心掛けていることは何か。インタビュー後編「何が素晴らしいって、仕事欄に「Web開発者」と書けたことだよ!」も是非ご覧ください。
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