Excel感覚で手軽にWebアプリを開発できるForguncy。その新バージョンでサポートされたワークフロー機能を実際に試してみる。
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「Excel感覚」で簡単にWebアプリを開発可能なツールとして、2014年秋にリリースされた「Forguncy」の上位版「Forguncy Pro」が2015年2月16日にグレープシティ株式会社よりリリースされた。同時に従来版のForguncyに対してもアップデートが行われている(以下、Update 1)。
Forguncyの基本的な使い方やチュートリアルについては本サイトの『連載:カンタンWebアプリ開発ツール「Forguncy」の実力を探る』や姉妹サイトであるBuild Insiderの『Excel方眼紙からホームページが作れる「Forguncy」を試してみた(デベロッパー視点)』などを参考にしていただきたい。
本特集では、Forguncy ProとUpdate 1で追加された機能を紹介していく。今回は、Forguncy Pro/Update 1での機能強化点を概観した後に、Update 1でも利用可能な「ワークフロー」機能について見てみよう。
前述の通り、Forguncyは「Excel感覚」でWebアプリを開発することに主眼を置いた開発ツールだ。今回リリースされたForguncy Pro/Update 1における主な機能強化点は以下の3点だ。
ワークフローは、日常業務においてあるユーザーから別のユーザーへと担当者が変わりながら行われる処理のことだ。外部データベース接続とカスタムJavaScriptはForguncy Proでのみサポートされ、前者はSQL Server/Oracle Databaseへの接続を可能に、後者はユーザーに表示されるページのカスタマイズを可能にするものだ。
それでは、Forguncy Pro/Update 1の両者でサポートされているワークフロー機能について見てみることにしよう(なお、以下ではForguncy Proでアプリの開発と動作の確認を行っている)。
ここでいう「ワークフロー」とは「業務の中で順序立てて行われる処理」のことだ。つまり、あるユーザーから別のユーザー、さらにまた別のユーザーといった具合に順次受け渡されていくことで完了する処理のことだ。
このような処理の流れは、日常業務の至るところで見られる。例えば、さまざまな申請書類はその典型だ。部署内の誰かが新規に出張申請を作成/提出すると、上司がチェックをした後に、特段の問題がなければこれを承認する(実際には処理はさらに人事部や経理部など、他部署にまで送り届けられ、必要であれば交通手段の手配や仮払金の用意なども行われるだろうが、本稿ではそこまでは考慮しないことにする)。問題があれば、書類の作成者に差し戻され、問題点を解決した上で再提出することになる。
Forguncy Pro/Update 1では、ワークフローを使うことで、このような処理をWebアプリとして実現できる。実際の仕事の現場では、Excelを使ってさまざまな申請書類が作成されている(そして、紙ベースでのワークフロー処理が行われている)ことを考えると、Forguncyでのワークフローのサポートは自然な流れだ。
Forguncyでは、テーブルの個々のレコードがワークフローで処理される一つ一つのデータとなり、さらにワークフローで使われる状態情報として次の二つがフィールドとしてテーブルに追加される(Forguncyが自動的に追加するので開発者の側で用意する必要はない)。
つまり、Forguncyのワークフローでは、テーブルに格納されるレコードに「状態」フィールドと「担当者」フィールドが存在し、この二つのフィールドの値を基にページの表示がどうなるか、ページで各担当者がどんな処理を行えるかが決まるようになっている。
上の図は「出張申請」が受理されるまでの処理を、Forguncyのワークフロー機能を使った場合にどのように表現されるかを示したものだ。
なお、ワークフロー機能を使用するには、個々のユーザーを特定する=ユーザーがアプリにログインできる必要がある。そのため、アプリを実際に運用するには、Forguncy Serverライセンスが必須となることに注意しよう(Forguncy Server Liteライセンスではログイン機能を持ったアプリをホストできない)。
それでは、まずアプリにログイン機能を持たせる方法から見ていこう。本稿では「究極警備隊」というヒーロー軍団の出張申請を処理するアプリを作成することにする。
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