Windows 2000からWindows 7/8.xまで、ほとんど変わることのなかったコマンドプロンプト。Windows 10では何がどう強化されるのか? Windows 10 TPの「実験的」な機能も含めて解説する。
「Windows 10 The Latest」は、2015年夏に正式リリースが予定されているWindows 10の最新情報をお伝えするコーナーです。
今回は「Windows 10 TPビルド9926(以下Windows 10 TP)」の「コマンドプロンプト」について見ていく。
Windows 10 TPでは今になってなぜか、「コマンドプロンプト」(cmd.exe)の機能がいくらか強化されている。GUIでは面倒な操作も、CUIのコマンドプロンプトなら簡単にできることは今でも少なくない。バッチファイルを用意すれば、繰り返しや定型的な処理も簡単に実行できる。コマンドプロンプトの基本的な使い方については関連記事を参照していただきたい。
コマンドプロンプトの機能が大きく強化されるのは、「Windows 2000」(2000年2月発売)で「拡張機能」が導入された時以来のはずなので、実に15年ぶりということになる。今になって機能を強化するのは、いまだにコマンドプロンプトに対する需要や不満があるということなのだろうが、可能ならもっと早く実装しておいてほしかった。
従来のコマンドプロンプトを使っていて一番不便なのが、表示された内容のスクロールバックやコピー操作だろう。まずバッファーサイズがデフォルトでは300行と少なく、dirコマンドを実行すると、バッファーから溢れることがよくあった(300行を超えた部分はスクロールバックしても表示されない)。
Windows 10 TPではデフォルトのバッファーサイズを9000行にし、さらに画面幅も120桁と、最初からいくらか広くしている。
コマンドプロンプトの新機能は、現状のWindows 10 TPではまだ「実験用(Experimental)」という扱いであり、デフォルトでは無効になっている。これをオンにするには、コマンドプロンプトを開いてプロパティ画面を表示させ、[実験用]タブで利用したい機能のチェックボックスをオンにする必要がある。
Windows 10 TPで実装されているこれらの機能はまだ開発途中であり、今後変更される可能性がある。プロパティ画面の一番下にある[実験用コンソール機能]というリンク(上の画面の(10))をクリックすると、Windows 10のコマンドプロンプト機能開発者へのフィードバック用フォーラムが表示されるので、要望などがあれば投稿しておこう。すでに何百も要望が投稿されバックログとして処理されているので、重複するかもしれないが、ひょっとしたら将来のWindows 10で採用されるかもしれない。
それでは各機能についてみていこう。
これをオンにしておくと、画面上の文字列の選択方法が「ブロックモード」から「行モード」になる。一般的なテキストエディターの選択機能のように使えるので、便利な機能だ。
従来のコマンドプロンプトでは、画面上の文字列をマウスでドラッグして選択すると、選択した領域は必ず矩形になっていた。その結果、コピーしたテキストは選択範囲の右側で改行され、複数の行に分かれたテキストになってしまっていた。たとえ画面の右端いっぱいまでドラッグしても、必ず行ごとに分割されたテキストになってしまい、後で行を連結させるなどの手間がかかる。
これに対して行モードを有効にしておくと、一般的なテキストエディターなどのように、複数の行が1つにつながったテキストとしてコピーされる。通常はこちらの方が便利だろう。
ブロックモードと行モードは、[Alt]キーを押しながらマウスをドラッグすると逆の動作になる。
これをオンにしておくと、クリップボードの内容をコマンドプロンプトに([編集]−[貼り付け]やマウスの右クリックで)貼り付けるときに、Tab文字が自動的に削除されたり、(開きと閉じの)引用符記号のペアが、単純な引用符記号に変換される。
例えばクリップボードの先頭にTab文字が入っていた場合、そのままコマンドプロンプトに貼り付けるとTabキーによる自動的なファイル名の補完機能が働いてしまう。だがこのチェックボックスがオンだとTab文字は削除され、意図しない自動補完機能は働かなくなる。
これをオンにすると、コマンドプロンプトの物理的なウィンドウサイズを変更した場合、自動的にテキストがラップ(折り返し表示)されるようになる。一般的なテキストエディターでは、ウィンドウサイズ(幅)を変更すると、自動的にテキストがラップしてウィンドウの横幅いっぱいまで描画されるが、コマンドプロンプトはそうはなっていなかった。最初に例えば横80桁にすると、ウィンドウサイズを広げてもテキストは80桁のままだった(右側は空白のまま)。
このチェックボックスをオンにすると、コンソールウィンドウの物理的な幅(桁数)も論理的な幅(「レイアウト」タブにある「画面バッファーのサイズ」−「幅」の値)も常に一致するようになり、普通のエディターのようにウィンドウをリサイズできるようになる。一般的にはこの方が使いやすいだろう。
これをオンにすると、[Ctrl]キーを使ったいくつかのキーボードショートカット機能が有効になる(主要なもののみ掲載。全ショートカットについては、記事冒頭のブログ記事参照)。
これをオンにすると、[Shift]キーを使ったキーボードショートカットによるテキスト選択機能が有効になる(主要なもののみ掲載。全ショートカットについては、記事冒頭のブログ記事参照)。
これをオンにすると、テキストをマウスでダブルクリックして選択した場合に、先頭のゼロを選択しないようになる。例えば「001234」というテキストをダブルクリックした場合に「1234」のみが選択されるようになる。
これは、コマンドプロンプトウィンドウの透明度を設定する機能である。いまひとつ使い道がはっきりしない機能だが、他のアプリケーションの上にコマンドプロンプトをオーバーレイ表示させるといった用途に使えるだろう。例えば他のアプリケーションを実行させながら、tailコマンドでログの状態をリアルタイムに監視する、pingでネットワークの状態を監視する、といった使い方が考えられる。
今回はコマンドプロンプトの機能拡張について見てきた。確かに従来のコマンドプロンプトは使いづらいところが多かったので、機能を拡張してくれるのはありがたい。いまさらコマンドプロンプトを強化する理由は不明だが、取りあえずありがたく使わせていただこうと思う。
Copyright© Digital Advantage Corp. All Rights Reserved.