日本の技術者が“いま”実現したいこと、業務時間外での取り組み、次世代技術のビジネス活用まとめITエンジニアの未来ラボ(6)(4/4 ページ)

» 2015年10月09日 05時00分 公開
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次世代技術でビジネスを生み出すのは自分次第? 社会環境などの整備が必要?

 「エンジニアが次世代技術を活用したシステム/サービスやビジネスを生み出すためには、何が必要と考えますか。ご自由にお答えください」という質問に対しても約362件と多くのフリー回答が寄せられた。

 新技術の学習、発想力、マーケティングスキル、ビジネスモデルの創造といった個人の問題から、会社・社会・法整備など外的要因に関わるものまで、幅広い意見が寄せられた。これも、いくつか引用しよう。

センサーやデバイスのAPIのOpen化とセキュリティ

セレンディピティを促進する環境。ただし、メーリングリストやSNSなど、インフラはすでに存在する。むしろエンジニア自身もしくはエンジニアを使役するマネジメント層の意識改革が必要ではないか?

土着した技能

新技術を知ること。新旧技術の応用。構想・考察だけでなく研究開発意欲を求める。零細企業の当社では研究開発補助金(例えばサポイン)を利用している。

一から全てを作る時代は終わっているため、ワークステーションはハイスペックPCで開発はしない。全てをタブレットのフリック操作などでテンプレートの組み合わせで開発ができるようになる。開発言語や評価ツールのスキル習得よりも、業務フローや管理手法を学び、コストを意識した運用の仕方を考える能力が必要なのかもしれない。今あるものを装置やパッケージでリプレースするよりも、システム全体もしくは別の分野で提供されるITサービスのカスタマイズでコストを抑えたり、スピードを上げたり、といった発想が求められるであろう。

需要の拡大(IT利用者のすそ野を広げること)、自由な開発環境、罰則や制限だけが先行する風潮の改革。

ITが好き。誰かの役に立ちたいという気持ち。手段と目的を理解する。あきらめない。楽しむ。

普段の生活や身の回りにヒントはあると思う。医療分野といえば「高度医療」「遠隔治療技術」を連想するが、普段の診療や処方箋の待ち時間が長いと感じる人は少なくないと思う。それをどう解消するかが技術だと考える。

エンジニアの世界に閉じこもらず、世の中の動き、ニーズやシーズを感じる環境に身を置くこと。その環境で何ができるか? 何をしたいか? を突き詰めて考えるモチベーション。実現するために必要なソリューションを見つけ出し、活用するための情報と資本。

デザイン力

まっとうな政治、まっとうな行政支援による、腹黒い者がバカを見るような環境。IT職人が育つにはこういう地盤が必要。現在は、職人気質の、真のIT技術者ほど使い捨てられ、技術を未来に引き継ぐことが困難な状態。

特に日本においては古い価値観にとらわれ過ぎ、末端組織が息をしていない、エンジニアの価値が低すぎるなど管理部門の意識改革と体制改革。特に業界特有のデスマなどの言葉のイメージは極力払拭していかなければ次の人材が育っていかない、確保できないし、OJTという便利な言葉で教育体制がおろそかになっており、結局のところ個人の努力で経営が保たれている面が多い。現状維持にとらわれ、1年、2年先が見えていないのは問題に思う。

一見、不可能とも思えるようなアイデアの存在(エンジニアの目線だと、無理だと考えて諦めてしまうような夢の存在)。また、試験的に技術検証が可能となる環境の存在(組織の文化、予算、抵抗勢力に妨げられない)。それまでの方法論に固執する役員などの早期退職。

分かっているが一番難しいところ。無理と思えるところに答えがある。その探究心を忘れないこと。無理を実現するための失敗を繰り返すこと。

次世代技術を使った現世代、過去世代の再現が必要。 最前線を開拓するだけでなく、新しい技術で過去世代の技術をより低コスト、使いやすく再現する幅のあるビジネスを考えること。

起業が一番だと思います。

少なくとも俗に「ITドカタ」と呼ばれるような労働環境は是正されなければなりませんが、エンジニアたる者、遊ぶ時間さえあれば、いくらでも想像の翼なんか広げられます。

技術とデザインの両方を考慮したアイデア。

AIが自ら進化するロジック。

海外、特に発展途上国に住むのが重要と思う。

国や自治体からの具体的な支援

自由に開発に取り組める環境(資金・時間・ツールの充実)、お互いに想像力を刺激し合えるコミュニティへの参加

その対象の業務のことをやはり知る必要があるとは思います。知り過ぎると固定概念が出てきますので、ある程度の知識の下さまざまな業務・業種の情報により、何かアイデアが出てくるかと思います。

1年前の結果と見比べてみよう

 このように、本稿では日本の技術者が“いま”実現したいこと、業務時間外での取り組み、次世代技術のビジネス活用などについてまとめたが、いかがだっただろうか。1年前に行ったアンケート結果とも重複する部分があるので、エンジニアが注目する次世代技術が1年でどう変わったかなど、見比べてみてほしい。

 特集「ITエンジニアの未来ラボ」の次回は、ITエンジニアは未来に向けてどのような道を歩むべきか、インタビューを通じてお届けする予定だ。

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