SEを芸能人に例えると、お笑いコンビ「ロッチ」の中岡さん? 俳優の山田孝之さん?――SEの現実を分かりやすく解説する本連載。今回は、現役SEがエンジニア100人に聞いたアンケートを基に、嗜好の「りある」を紹介します。
皆さんこんにちは! 現役のSE(System Engineer システムエンジニア)兼ITライターの左門至峰(さもんしほう)です。本連載「えんじにあ解体新書」では、SEに代表されるITの技術者の仕事について、仕事の内容、日常、喜び、やりがいなどを学生の皆さんに分かりやすく紹介します。
前回は、SEの適正の「りある」として、SEには「コミュニケーション能力」が大切であることをお伝えしました。今回のテーマは「SEはオタクなのか」です。
最初にこのテーマを編集者からもらったとき、私はがくぜんとしました。「SEはオタクじゃない!」と叫びたいくらいでした。でも、そのように思われている人もいるようです。そもそも「オタク」とは何でしょうか? SEへのアンケート結果などを絡めて説明していきます。
2005年に「電車男」(配給:東宝)という映画が公開されました(古くてごめんなさい)。原作はインターネットの匿名掲示板「2ちゃんねる」への書き込みから生まれた物語で、「電車男」とはオタクで女性にもてない主人公(山田孝之さんが演じるSE)のハンドルネームです。
オタク:「フィギュアやアニメなどの特定の趣味に精通している人の呼称」とされることが一般的ですが、本記事では「PCさえあれば、テレビも異性もいらない」というような「PC大好き!」な人を指します
ハンドルネーム:インターネット掲示板などで活動するときに用いる「別名」
電車男はPCに詳しく、キーボードを打つ速さは神懸かり的なのですが、ちょっと残念な風貌や挙動をしていました。この映画の影響があってか、当時一部のSEが「電車男!」と冷やかされることがありました。確かにSEの中には、お笑いコンビ「ロッチ」の中岡さんのような長髪で、昼食はカロリーメイトばかり食べて、暇さえあればアニメのサイトを見ているという、独自の世界をお持ちの方もいらっしゃいます(敬語を使ってみました)。
一方、SEに対して全く違う印象を持っている人もいます。以前、ある女性看護師が目を輝かせて話してくれたことあります。「病院のシステム導入に来る技術者って、スーツが似合うイケメンばかり」「素早くキーボードを打つ姿が格好いい」。IT業界の華やかなイメージも合わさって、彼女は「SEは若くてITに長けていて、おしゃれ」というイメージを持っているのです。
果たしてSEは、電車男と冷やかされるようなオタクなのでしょうか。それとも、女性看護師が目を輝かせようなイケメンなのでしょうか?
(「オタク」という言葉は違うイメージを与えかねないので、ここからは「マニア」という言葉を使います)SEを希望する学生の中には、「オンとオフをきっちり分けたい」とか、「PCはそこまで好きではないのだけれど……」という人もいることでしょう。SEはマニアばかりなのでしょうか。PCのことばかり考えている人しか、SEとしてやっていけないのでしょうか。
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