「ファイナルアンサー?」で仕様確定(できたら、どんなにいいか……)――SEの現実を分かりやすく解説する本連載。今回は仕事の進め方のコツを、テレビ番組「クイズ$ミリオネア」になぞらえて解説します。
皆さんこんにちは! 現役のSE(System Engineer システムエンジニア)兼ITライターの左門至峰(さもんしほう)です。
本連載「えんじにあ解体新書」は、SEに代表されるITの技術者の仕事について、仕事の内容、日常、喜び、やりがいなどを、学生の皆さんに分かりやすく紹介しています。前回は残業の「りある」として、SEの仕事は3Kと言われる「きつい」「帰れない」「給料が安い」という面があることを紹介しました。
同時に、残業時間は会社や部署、上司や時期によって大きく変わることもお伝えしました。それだけではありません。同じ環境にいるSEであっても、個人によって「きついと感じる度合い」や「残業時間」は変わります。
その違いは、どこから生まれるのでしょうか。単純な能力の差もありますが、仕事の「段取り」や「進め方」も関係があります。
では、SEの仕事はどう進めればいいのでしょうか。少し前に、「ファイナルアンサー?」という言葉が社会現象にもなった「クイズ$ミリオネア」というフジテレビの人気番組がありました。実はこの番組は、SEの仕事の進め方におけるさまざまなコツを教えてくれるのです。
SEの仕事は単純ではなく、机上の理屈は通じません。しかし、一見単純に見えるクイズ番組との相似点が不思議なくらい多いのです。
「クイズ$ミリオネア」は、みのもんた氏が司会をしていたクイズ番組です。4択の問題が15問出題され、全問正解すると賞金1000万円を獲得できます。
クイズは、通常は一人で考えて答えを出すものです。これは、SEの仕事も同じでしょう。技術を極め、日ごろの鍛錬を積み重ね、その成果を仕事にぶつけます。誰にも頼らずに、一人でやり通す職人SEはたくさんいます。しかし、より良い仕事や、より効率のいい仕事をするためには、全てを一人でやるだけが正解とは限りません。仕事では行き詰まることがあるからです。
そこで登場するのが、「ライフライン」です。ライフラインとは、正解により近づくためのこのクイズ番組特有のアイテムです。「クイズ$ミリオネア」には、「50:50(フィフティフィフティ)」「テレフォン」「オーディエンス」の3つのライフラインがあります。
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