Excelを通じて、「ピボットテーブル」の基礎を学び、データ分析を実践するまでを習得する本連載。今回は、作成したピボットテーブルを基に、「さまざまな視点で分析」することで知見を得るための基礎とテクニックを解説する。
本連載は、今後のビジネスに必須とされる「データ分析」の第一歩を踏み出してもらうために、Excelを通じた「ピボットテーブル」をまずマスターすることを目的にする。Microsoft Excel 2013(以下、Excel)を使って、ピボットテーブルを実務で応用していくためのノウハウを紹介していく。
前回は、実際に「ピボットテーブル」を作成し、どんな分析ができるか“基礎の方法”を解説した。
今回は、より深くデータ分析をしていくために必要となる、条件をフィルタリングしながら「いろいろな視点で分析する方法」を実践していこう。
「さまざまな視点で分析する」とはどういうことか。膨大な量が蓄積されているデータの中から「この先の意思決定へ生かす」ために、例えば、「担当ごとの売上」や、「商品名ごとの売上」などの得たい情報を抽出して、その傾向をつかみ、識別することだ。
本稿ではその入門編として、「金額の高い順に担当を並べ替え」「指定した順番に担当者を並べ替える」「上位の売れ筋商品を導き出す」「指定したキーワードに一致する商品を抜き出して集計する」を具体的に実践し、これらの方法と「集計表の項目の変更」や、「ピボットテーブルの削除」などのTipsに絞って説明する。
では、ピボットテーブルで「金額の高い順に担当を並べ替え」て分析をしてみよう。
事前準備として、第2回「初めてでも今すぐ実践できる、ピボットテーブルの作り方」で作成した「売上一覧表」のリストデータ「図22」を今回も使う。Excelで開いておいてほしい。
今回は、このリストデータから、ピボットテーブルで担当者別の売上表を作成する。
基本的な作成方法は、第2回「初めてでも今すぐ実践できる、ピボットテーブルの作り方」で解説した通りだが、念のためここでも解説しよう。
まず、リストデータを「テーブル」型式に変換する(図1)。リストデータのどこかを選択した状態で、「挿入」タブ→「テーブル」を選択する。「テーブルの作成」ダイアログボックスが表示されるので、そのまま「OK」をクリックする。
続いて、リストデータのどこかを選択した状態で「挿入」タブ→「ピボットテーブル」を選択する。「ピボットテーブルの作成」ダイアログボックスが表示されるので、ピボットテーブルにするリストデータの範囲が「テーブル」になっているのを確認して、「新規ワークシート」にピボットテーブルを配置する。
新しいワークシート内に、「ピボットテーブルの枠」と「フィールドリストウインドウ」が表示されるので、フィールドセクションにある「担当」と「商品名」を、レイアウトセクションの「行」のエリアに配置する。続いて、「金額」を「値」のエリアに配置する。これで、「担当者別」に集計した売上表が作成される(図2)。
この担当者別の売上表をより視認しやすくするために、「売上額順」に並べ替えよう。並べ替えの基準となる、セル「B4」を選択(図3)し、「データ」タブ→「降順」を選ぶ(図4)。
すると、売上額が多い順に担当者が並べ替えられた(図5)。
これによって、例えば「誰が優秀なのか」「次の拡販プロジェクトは誰を選ぶか」などの判断がしやすくなるだろう。
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