次に、ステージ上でマウスカーソルを動かすと、その動きに「スプライト(犬)」に着いていかせて、その後を「ペン」で線を描くようにする(図3)。
プログラミングの仕方や解説については動画2を参照してほしい。
以降、動画2のポイントをテキストでも補足しておく。
軌跡を描くには「ペン」の分類の中にある命令を使用する。最初は「ペンを上げる」命令にし、描く準備が整ったら、「ペンを下ろす」命令にする。「ペンを上げる」以降の処理は、「制御」分類にある「ずっと」命令の中にブロックを組み立てていく。「ペンで描く」ではなく、「ペンを上げる」「ペンを下ろす」ことも、Scratchプログラミングでは1つ1つの命令になっていることが注目だ。
また、「ペン」で描ける線は、色や太さを変えられるので、いろいろと試してみてほしい。
犬をマウスの動きに着いていかせるには、「動き」分類の中にある「マウスポインターへ向ける」命令を使用する。
最後に、スプライトのクローンの作り方について解説する。「クローン」とは「複製」のことで、Scratch 1.4系にはなかった、Scratch 2.0で追加された機能だ。スクリプトの実行ボタンクリックで、クローンを一気に多く作る方法を紹介する(図5)。
プログラミングの仕方や解説については動画3を参照してほしい。
以降、動画3のポイントをテキストでも補足しておく。猫に書かれた命令は図6だ。
10匹の猫クローンを、1秒ごとに10回(10秒)作っていく作り方をマスターしよう。「制御」分類内の「10回繰り返す」命令内に「自分自身のクローンを作る」命令を入れておく。
このように、プログラミングでは、同じ命令を10個配置するのではなく、まとめて「10回繰り返す」命令で実行させることで、命令を配置する行為を簡単にできるのだ。この「繰り返し」はプログラミングの醍醐味(だいごみ)の1つといえるだろう。
「10回」を「20回」「100回」などに変えることで、その便利さがさらに実感できるかもしれない。いろいろと数字を変えて試してみてほしい。
クローンを動かすには、「制御」分類内の、「クローンされたとき」に命令を記述していく。この「クローンされたとき」の処理内で、今回は猫の複製を10匹分動かしている。
猫をいろいろな場所に出没させるために、「動き」分類内の「1秒間にx座標を0に、y座標を0に変える」の「0」の位置に、「演算」分類内の乱数を指定している。x座標には右端から左端までの乱数を、y座標には上端から下端までの乱数を指定している。
次回は、まず、キャラからボールを発射するサンプルを作り、キャラが幽霊を撃つシューティングゲームにする。また、自分で新しい命令ブロックを作る方法も紹介するので、お楽しみに。
薬師寺国安事務所代表。Visual Basicプログラミングと、マイクロソフト系の技術をテーマとした、書籍や記事の執筆を行う。
1950年生まれ。事務系のサラリーマンだった40歳から趣味でプログラミングを始め、1996年より独学でActiveXに取り組む。
1997年に薬師寺聖とコラボレーション・ユニット「PROJECT KySS」を結成。
2003年よりフリーになり、PROJECT KySSの活動に本格的に参加。.NETやRIAに関する書籍や記事を多数執筆する傍ら、受託案件のプログラミングも手掛ける。
Windows Phoneアプリ開発を経て、現在はWindowsストアアプリを多数公開中。
Microsoft MVP for Development Platforms - Client App Dev (Oct 2003-Sep 2012)。
Microsoft MVP for Development Platforms - Windows Phone Development(Oct 2012-Sep 2013)。
Microsoft MVP for Development Platforms - Client Development(Oct 2013-Sep 2014)。
Microsoft MVP for Development Platforms-Windows Platform Development (Oct 2014-Sep 2015)。
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