HoloLensのAR世界を疑似体験できる、エミュレーターの基礎知識とインストール、基本的な使い方HoloLens Emulatorアプリ開発入門(1)(3/3 ページ)

» 2016年04月14日 05時00分 公開
[薬師寺国安PROJECT KySS]
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HoloLens Emulatorの各名称と基本的な使い方

 次に図2のHoloLens Emulatorの各名称について解説しておく。図10の番号を振った箇所と名称を併せて読んでいただきたい(参考)。

図10 HoloLens Emulatorの画面 図10 HoloLens Emulatorの画面
  1. Close:エミュレーターを閉じる
  2. Minimize:エミュレーターウィンドウの最小化
  3. Human Input:マウスとキーボードは、エミュレーターに「人間の入力」をエミュレートするために使用される
  4. Keyboard and Mouse Input:キーボードとマウスの入力が、「イベント」としてHoloLens OSに直接渡される。例えば、Unity 5でキーボードの処理を行っていた場合に、ここをクリックして有効にしておくと、キーボードでキャラクターを操作できるようになる
  5. Fit to Screen:エミュレーターが画面にフィットする
  6. Zoom:エミュレーターをズームする
  7. Help:エミュレーターのHelp画面を表示する
  8. Open Device Portal:エミュレーターでHoloLens OSの管理画面を開く
  9. Tools:その他のツールウィンドウを開く

Keyboard and Mouse Input

 4.の「Keyboard and Mouse Input」は、エミュレーター上に入力ボックスがある場合に、ソフトキーボードが起動する。しかし、日本語には対応しておらず、使い勝手がイマイチ分かり難いのが難点だ(図11)。

図11 「Keyboard and Mouse Input」のアイコンをクリックして、入力画面にフォーカスを移した画面 図11 「Keyboard and Mouse Input」のアイコンをクリックして、入力画面にフォーカスを移した画面

Toolsと「Room」タブ

 9.の「Tools」を選択すると図12の「Additional Tools」のウィンドウが開く。主に使用するのは「Room」タブで、「Room」(ポリゴンで作った仮想の部屋)を切り替えることだ。まずは、このメニューについて解説しておく。

図12 Additional Toolsの画面 図12 Additional Toolsの画面

 図12の画面では「Room」タブを選択すると、図13のようにエミュレーターに用意されているRoomを選択する画面が表示される。

図13 エミュレーターに用意されているRoomを選択できる

 任意のファイルを選択して「開く」をクリックすると、表示されているエミュレーターに、選択したRoomが適用される(図14)。

図14 背景にRoomを表示して、Unityプロジェクトを動かしている

 用意されているRoomには下記の5つが用意されている。各Roomはポリゴンで表示される。これらのRoomを現実世界に見立てて作成したキャラクターなどがどう動くかエミュレーションするのだ。

  1. DefaultRoom.xef:2つのソファ、コーヒー、テーブル、テレビと小さなリビング ルーム。エミュレーターを起動するときに、既定で読み込まれるRoomだ。
  2. Bedroom1.xef:机と小さい寝室のあるRoom
  3. Bedroom2.xef:クイーンサイズのベッド、ドレッサー、ナイトスタンド、ウォークインクロゼット付きのベッドルーム
  4. GreatRoom.xef:リビングルーム、ダイニングテーブルとキッチンと大規模なオープンスペースの大きな部屋
  5. LivingRoom.xef:暖炉、ソファ、アームチェア、花瓶のあるコーヒーテーブルのリビングルーム

「Open Device Portal」

 8.の「Open Device Portal」をクリックすると、「HoloLens OS」の管理画面が表示される(図15)。

図15 HoloLens OSの管理画面が表示された

 図15の画面から左の項目の「Mixed Reality Capture」を選択すると、現在エミュレーターで表示されている画面を動画で撮ることができる。もちろん再生も可能だ。図16の「Record」をクリックして、「Live Preview」をクリックすると、現在表示されているエミュレーターの動画を見ることができる。

図16 「Record」をクリックする

 「Record」ボタンが「Stop Recording」に替わるので、このボタンをクリックすると、今、録画した動画が再生される(図17)。削除したい場合は、図17の「ゴミ箱」アイコンをクリックするといい。他にもいろいろな項目があるので、各自が触って確認してほしい。

図17 録画が再生されている

 キーボードの「W」で前、「A」で右、「S」で後ろ、「D」で左方向に動かすことも可能だ。ただし、フォーカスがHoloLens Emulatorにあることが前提だ。

次回以降、UWPやUnityで作ったコンテンツをエミュレーターで動かす

 以上が、Microsoft HoloLens Emulatorの基本機能だ。次回以降、実際にHoloLens Emulatorで動くアプリを作成していく。まず次回は、UWPアプリを作成して、HoloLens Emulatorで動作させる方法を解説し、次々回は、Unityでアプリを作成して動かしてみるので、お楽しみに。

著者紹介

薬師寺 国安(やくしじ くにやす) / 薬師寺国安事務所

薬師寺国安事務所代表。Visual Basicプログラミングと、マイクロソフト系の技術をテーマとした、書籍や記事の執筆を行う。

1950年生まれ。事務系のサラリーマンだった40歳から趣味でプログラミングを始め、1996年より独学でActiveXに取り組む。

1997年に薬師寺聖とコラボレーション・ユニット「PROJECT KySS」を結成。

2003年よりフリーになり、PROJECT KySSの活動に本格的に参加。.NETやRIAに関する書籍や記事を多数執筆する傍ら、受託案件のプログラミングも手掛ける。

Windows Phoneアプリ開発を経て、現在はWindowsストアアプリを多数公開中。

Microsoft MVP for Development Platforms - Client App Dev (Oct 2003-Sep 2012)。

Microsoft MVP for Development Platforms - Windows Phone Development(Oct 2012-Sep 2013)。

Microsoft MVP for Development Platforms - Client Development(Oct 2013-Sep 2014)。

Microsoft MVP for Development Platforms-Windows Platform Development (Oct 2014-Sep 2015)。


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