Excelを通じて、「ピボットテーブル」の基礎を学び、データ分析を実践するまでを習得する本連載。最終回は、「リレーションシップ」機能を駆使して、実務への応用を想定した高度なピボットテーブルを作成する方法を実践する。
本連載は、今後のビジネスに必須とされる「データ分析」の第一歩を踏み出してもらうために、Microsoft Excel 2013(以下、Excel)を通じて「ピボットテーブル」を実務で応用していくためのノウハウを紹介していく。
前回は、ピボットテーブルのデータを素早くフィルタリングし、抽出する「スライサー」と「タイムライン」の使い方を解説した。
最終回は、ピボットテーブル基礎編の総括版として、“より高度なデータ分析の実践”に向けたテクニックをお届けする。複数のテーブルにあるデータ項目を連携させる「リレーションシップ」機能を用い、複数のテーブルから必要な項目を抽出してまとめたピボットテーブルを作成していく方法を実践しよう。
今回も第4回「ピボットテーブルで、“さまざまな視点でのデータ分析”を簡単に実践する(応用編)」などで用意した「テーブル型式に変換した売上一覧のリストデータ」を基礎データに使うので、事前に用意しておいてほしい(図1)。
リストデータの見本に使用したサンプルは以下の通り。こちらをコピーして図1のように仕上げてほしい。
NO 日付 商品名 単価 数量 金額 担当 1 2014/5/1 ノートPC 145800 3 437400 夏目 2 2014/5/1 デスクトップパソコン 212800 2 425600 夏目 3 2014/5/1 デジカメ 45800 3 137400 夏目 4 2014/5/2 KINECT 24800 5 124000 久利 5 2014/5/2 Leap Motion 12600 8 100800 久利 6 2014/5/2 ノートPC 145800 2 291600 久利 7 2014/5/3 デスクトップパソコン 212800 4 851200 阪神 8 2014/5/3 プリンター 34800 5 174000 阪神 9 2014/5/4 ノートPC 145800 8 1166400 正岡 10 2014/5/5 KINECT 24800 10 248000 愛媛 11 2014/5/5 マウス 3500 20 70000 愛媛 12 2014/5/5 ノートPC 145800 5 729000 愛媛 13 2014/5/5 スキャナー 65800 2 131600 愛媛 14 2014/5/6 デスクトップパソコン 212800 3 638400 内田 15 2014/5/6 デジカメ 45800 4 183200 内田 16 2014/5/6 プリンター 34800 5 174000 内田 17 2014/5/6 ディスプレイ 39800 2 79600 内田 18 2014/5/7 ディスプレイ 39800 4 159200 薬師寺 19 2014/5/7 ノートPC 145800 6 874800 薬師寺 20 2014/5/7 KINECT 24800 5 124000 薬師寺 21 2014/5/10 タブレットPC 98000 8 784000 広瀬 22 2014/6/1 ノートPC 145800 6 874800 夏目 23 2014/6/1 デスクトップパソコン 212800 4 851200 夏目 24 2014/6/1 デジカメ 45800 3 137400 夏目 25 2014/6/2 KINECT 24800 7 173600 久利 26 2014/6/2 Leap Motion 12600 5 63000 久利 27 2014/6/2 ノートPC 145800 4 583200 久利 28 2014/6/3 デスクトップパソコン 212800 7 1489600 阪神 29 2014/6/3 プリンター 34800 3 104400 阪神 30 2014/6/4 ノートPC 145800 4 583200 正岡 31 2014/6/5 KINECT 24800 8 198400 愛媛 32 2014/6/5 マウス 3500 25 87500 愛媛 33 2014/6/5 ノートPC 145800 3 437400 愛媛 34 2014/6/5 スキャナー 65800 4 263200 愛媛 35 2014/6/6 デスクトップパソコン 212800 6 1276800 内田 36 2014/6/6 デジカメ 45800 7 320600 内田 37 2014/6/6 プリンター 34800 6 208800 内田 38 2014/6/6 ディスプレイ 39800 4 159200 内田 39 2014/6/7 ディスプレイ 39800 6 238800 薬師寺 40 2014/6/7 ノートPC 145800 8 1166400 薬師寺 41 2014/6/7 KINECT 24800 7 173600 薬師寺 42 2014/6/10 タブレットPC 98000 6 588000 広瀬 43 2014/7/1 ノートPC 145800 5 729000 夏目 44 2014/7/1 デスクトップパソコン 212800 6 1276800 夏目 45 2014/7/1 デジカメ 45800 7 320600 夏目 46 2014/7/2 KINECT 24800 3 74400 久利 47 2014/7/2 Leap Motion 12600 7 88200 久利 48 2014/7/2 ノートPC 145800 5 729000 久利 49 2014/7/3 デスクトップパソコン 212800 3 638400 阪神 50 2014/7/3 プリンター 34800 4 139200 阪神 51 2014/7/4 ノートPC 145800 9 1312200 正岡 52 2014/7/5 KINECT 24800 5 124000 愛媛 53 2014/7/5 マウス 3500 35 122500 愛媛 54 2014/7/5 ノートPC 145800 5 729000 愛媛 55 2014/7/5 スキャナー 65800 3 197400 愛媛 56 2014/7/6 デスクトップパソコン 212800 4 851200 内田 57 2014/7/6 デジカメ 45800 7 320600 内田 58 2014/7/6 プリンター 34800 8 278400 内田 59 2014/7/6 ディスプレイ 39800 6 238800 内田 60 2014/7/7 ディスプレイ 39800 5 199000 薬師寺 61 2014/7/7 ノートPC 145800 4 583200 薬師寺 62 2014/7/7 KINECT 24800 3 74400 薬師寺 63 2014/7/10 タブレットPC 98000 7 686000 広瀬
今回は、事前準備したリストデータとは別に、別のワークシートを作成して項目別の基本情報をまとめた「テーブル」を個別に作っていく。
項目別の基本情報となるテーブルを個別に用意する理由は、基本データを一元管理し、データの整合性を保つためだ。後で解説する「リレーションシップ」機能で各テーブルの同じ項目同士を連携させておくと、基本データに修正があったとしても、同じ項目を通じてデータを参照・反映できる。この準備は数千、数万、数十万行と、データ量が増えるほど有効なので、今後データ分析を行う上でのテクニックとして覚えておいてほしい。
まず、1つ目の「商品情報のテーブル」から作成する。「商品」であるノートPCは、商品番号「ABC-1」で、単価は「145800」円。同じくデスクトップパソコンは、商品番号「ABC-2」で、単価は「212800」円……といった基本情報を、「商品」というワークシートを新規作成してデータを追加し、テーブル型式に変換する。基本情報テーブルのための見本データは、リスト2に用意した。
商品番号 商品名 単価 ABC-1 ノートPC 145800 ABC-2 デスクトップパソコン 212800 ABC-3 デジカメ 45800 ABC-4 KINECT 24800 ABC-5 Leap Motion 12600 ABC-6 プリンター 34800 ABC-7 マウス 3500 ABC-8 スキャナー 65800 ABC-9 デジカメ 45800 ABC-10 ディスプレイ 39800 ABC-11 タブレットPC 98000
続いて、テーブルとして識別されているセル(A5など)にカーソルを合わせ、Excelメニュー「テーブルツール」→「デザイン」より、テーブル名を「商品情報」と指定する(図2)。
なお、テーブル名はワークシート別に「テーブル*」などと自動命名されるが、テーブル名は文字列そのものが重要な役割を果たすので、瞬時に何かを識別できるほどに明解な名称を付けておくことが望ましい。後ほど解説する「複数のテーブルをまとめて集計する」など、大量の項目が羅列されるシーンで「何の項目かが瞬時に分かる」と、後の作業効率に大きな差が出てくる。
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