集計表をビジュアル化する「ピボットグラフ」の作り方新社会人の必須知識 「Excel ピボットテーブル」超入門(7)(1/4 ページ)

Excelを通じて、「ピボットテーブル」の基礎を学び、データ分析を実践するまでを習得する本連載。今回は、ピボットテーブルの集計表をビジュアル化する「ピボットグラフ」の基礎と応用を解説する。

» 2016年04月12日 05時00分 公開
[薬師寺国安PROJECT KySS]

連載バックナンバー

 本連載は、今後のビジネスに必須とされる「データ分析」の第一歩を踏み出してもらうために、Excelを通じた「ピボットテーブル」をまずマスターすることを目的にする。Microsoft Excel 2013(以下、Excel)を使って、ピボットテーブルを実務で応用していくためのノウハウを紹介していく。

 前回は、ピボットテーブルで作成した集計表の視認性を高める「デザインを工夫」するテクニックを紹介した。

 今回は、それをもっと説得力を高めて、「第三者に分かりやすく伝えられる」ように仕上げる「ピボットグラフ」の基礎と作り方を解説する。

 事前準備として、今回も第4回「ピボットテーブルで、“さまざまな視点でのデータ分析”を簡単に実践する(応用編)」などで用意した「テーブル型式に変換した売上一覧のリストデータ」を用意してほしい。テーブル型式への変換方法は、第2回「初めてでも今すぐ実践できる、ピボットテーブルの作り方」を参照してほしい。

photo 今回用意してほしい、売上一覧を「テーブル型式」に変換したリストデータの見本(画像クリックでリスト全体の見本を表示)

 リストデータのサンプルは以下の通り。

NO	日付	商品名	単価	数量	金額	担当
1	2014/5/1	ノートPC	145800	3	437400	夏目
2	2014/5/1	デスクトップパソコン	212800	2	425600	夏目
3	2014/5/1	デジカメ	45800	3	137400	夏目
4	2014/5/2	KINECT	24800	5	124000	久利
5	2014/5/2	Leap Motion	12600	8	100800	久利
6	2014/5/2	ノートPC	145800	2	291600	久利
7	2014/5/3	デスクトップパソコン	212800	4	851200	阪神
8	2014/5/3	プリンター	34800	5	174000	阪神
9	2014/5/4	ノートPC	145800	8	1166400	正岡
10	2014/5/5	KINECT	24800	10	248000	愛媛
11	2014/5/5	マウス	3500	20	70000	愛媛
12	2014/5/5	ノートPC	145800	5	729000	愛媛
13	2014/5/5	スキャナー	65800	2	131600	愛媛
14	2014/5/6	デスクトップパソコン	212800	3	638400	内田
15	2014/5/6	デジカメ	45800	4	183200	内田
16	2014/5/6	プリンター	34800	5	174000	内田
17	2014/5/6	ディスプレイ	39800	2	79600	内田
18	2014/5/7	ディスプレイ	39800	4	159200	薬師寺
19	2014/5/7	ノートPC	145800	6	874800	薬師寺
20	2014/5/7	KINECT	24800	5	124000	薬師寺
21	2014/5/10	タブレットPC	98000	8	784000	広瀬
22	2014/6/1	ノートPC	145800	6	874800	夏目
23	2014/6/1	デスクトップパソコン	212800	4	851200	夏目
24	2014/6/1	デジカメ	45800	3	137400	夏目
25	2014/6/2	KINECT	24800	7	173600	久利
26	2014/6/2	Leap Motion	12600	5	63000	久利
27	2014/6/2	ノートPC	145800	4	583200	久利
28	2014/6/3	デスクトップパソコン	212800	7	1489600	阪神
29	2014/6/3	プリンター	34800	3	104400	阪神
30	2014/6/4	ノートPC	145800	4	583200	正岡
31	2014/6/5	KINECT	24800	8	198400	愛媛
32	2014/6/5	マウス	3500	25	87500	愛媛
33	2014/6/5	ノートPC	145800	3	437400	愛媛
34	2014/6/5	スキャナー	65800	4	263200	愛媛
35	2014/6/6	デスクトップパソコン	212800	6	1276800	内田
36	2014/6/6	デジカメ	45800	7	320600	内田
37	2014/6/6	プリンター	34800	6	208800	内田
38	2014/6/6	ディスプレイ	39800	4	159200	内田
39	2014/6/7	ディスプレイ	39800	6	238800	薬師寺
40	2014/6/7	ノートPC	145800	8	1166400	薬師寺
41	2014/6/7	KINECT	24800	7	173600	薬師寺
42	2014/6/10	タブレットPC	98000	6	588000	広瀬
43	2014/7/1	ノートPC	145800	5	729000	夏目
44	2014/7/1	デスクトップパソコン	212800	6	1276800	夏目
45	2014/7/1	デジカメ	45800	7	320600	夏目
46	2014/7/2	KINECT	24800	3	74400	久利
47	2014/7/2	Leap Motion	12600	7	88200	久利
48	2014/7/2	ノートPC	145800	5	729000	久利
49	2014/7/3	デスクトップパソコン	212800	3	638400	阪神
50	2014/7/3	プリンター	34800	4	139200	阪神
51	2014/7/4	ノートPC	145800	9	1312200	正岡
52	2014/7/5	KINECT	24800	5	124000	愛媛
53	2014/7/5	マウス	3500	35	122500	愛媛
54	2014/7/5	ノートPC	145800	5	729000	愛媛
55	2014/7/5	スキャナー	65800	3	197400	愛媛
56	2014/7/6	デスクトップパソコン	212800	4	851200	内田
57	2014/7/6	デジカメ	45800	7	320600	内田
58	2014/7/6	プリンター	34800	8	278400	内田
59	2014/7/6	ディスプレイ	39800	6	238800	内田
60	2014/7/7	ディスプレイ	39800	5	199000	薬師寺
61	2014/7/7	ノートPC	145800	4	583200	薬師寺
62	2014/7/7	KINECT	24800	3	74400	薬師寺
63	2014/7/10	タブレットPC	98000	7	686000	広瀬
リスト1:リストデータのサンプル

グラフの基となる集計表を作成する

 ピボットグラフのサンプルとして、今回は商品の売上高をまとめた集計表を使おう。用意したリストデータを基に、ピボットテーブルでこの集計表を作成してほしい(図1)。

photo 図1 商品の売上高をまとめた集計表を作る

 金額は「3桁区切り」の表記で統一しよう。金額のセル「B4」などにカーソルを合わせて、Excelメニュー「ピボットテーブルツール」タブ→「分析」→「フィールドの設定」→「表示形式」から、「数値」→「桁区切り(,)を使用する」を選択する。詳しい設定方法は、第6回「ピボットテーブルの“デザインを工夫”して視認性と説得力を高める」で紹介した、「数値を“3桁カンマ区切り”の表記に統一する方法」を参照してほしい。

 集計表の金額は「降順」にするのが良いだろう。同じく「B4」セルにカーソルを合わせ、Excelメニュー「ホーム」タブ→「並べ替えとフィルター」から、「降順」を選ぶ。カンマ区切りの金額が降順で並んだ集計表になった(図2)。

photo 図2 カンマ区切りの表記で統一し、売上額の降順とする集計表にする

「ピボットグラフ」の作り方

 作成した集計表を基に、「ピボットグラフ」を作成していこう。

 金額のセル「B4」にマウスカーソルを合わせ、Excelメニュー「ピボットテーブルツール」タブ→「分析」→「ピボットグラフ」と選択する(図3)。

photo 図3 「ピボットグラフ」を選択する

 「ピボットグラフの挿入」ダイアログボックスが表示される(図4)。

photo 図4 作りたいグラフの種類を選ぶ「ピボットグラフの挿入」ダイアログボックスが表示される

 グラフテンプレートはたくさんあるが、今回は売上の比較をするので、まずは縦の棒グラフを選んでみよう。グラフのテンプレートから「縦棒」→「集合縦棒」を選択する。これだけで、縦の棒グラフで表現された「ピボットグラフ」が作成された(図5)。

photo 図5 棒グラフで表現された「ピボットグラフ」を作成できた

「任意の商品名」のピボットグラフを表示する

 では、もっと応用してみよう。「任意の商品名だけ」を選び、ピボットグラフにする方法を実践する。

 図5で作成したピボットグラフの左下に「商品名▼」マークがある。ここから、並べ替えやフィルターしたい項目などを選択できるメニューが開く。例えば、「タブレットPC」「デスクトップパソコン」「ノートPC」の売上だけを表示させたいならば、他の項目を外して、それらの項目だけにチェックを入れればよい(図6)。これで、「タブレットPC」「デスクトップパソコン」「ノートPC」の項目だけ表示させたピボットグラフに仕上がる(図7)。

photo 図6 表示させたい項目にだけチェックを入れる
photo 図7 「タブレットPC」「デスクトップパソコン」「ノートPC」の項目に絞って作成したピボットグラフ

 タイトルは、その文字列の上でダブルクリックすると編集できる。例えば「集計」から「商品別売上グラフ」とすれば、より分かりやすいグラフになる(図8)。

photo 図8 グラフのタイトルは、文字列のダブルクリックで変更できる
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