IPトラフィック量は年22%ペースで増加、2020年には月間194エクサバイトにシスコが2020年までのネットワーク市場予測を発表

シスコシステムズは、ネットワーク市場を取り巻く動向に関する2020年までのの予測を発表した。

» 2016年06月09日 11時00分 公開
[@IT]

 米シスコシステムズは2016年6月7日(米国時間)、2020年までのネットワーク市場を取り巻く動向予測をまとめた「Cisco Visual Networking Index (VNI) Complete Forecast for 2015 to 2020」を発表した。

 近年は、スマートデバイスの普及やマシン間(M2M)接続の拡大などに伴うデジタル変革によって、IPトラフィック量が急増している。シスコの調査によると、世界の月間IPトラフィック量は、2015年の約72.5EB(エクサバイト)から年平均22%のペースで増加し、2020年には2015年比で約3倍の約194.4EBに達すると予測される。同じく年間IPトラフィック量も、2015年の870EBから、2020年には2.3ZB(ゼタバイト)に達すると見られている。

photo 予測されるIPトラフィック量の推移(出典:シスコシステムズの資料)

 インターネット利用者は、2015年の30億人から2020年には41億人に増え、インターネットに接続されるデバイスも、2015年の163億台(1人当たり2.2台)から、2020年には263億台(同3.4台)に増加するとされている。

 この他、IoT(Internet of Things)の発展もIPトラフィックの増加に拍車を掛ける。ビデオ監視やスマートメーター、デジタルヘルスモニターなどのアプリケーションや、各種のM2Mサービスが新たなネットワーク需要やトラフィック増加をもたらすだろうと、シスコは説明している。

 世界のM2M接続デバイスは2015年の49億台から、2020年には122億台と2.5倍近くに増える見通しだ。2020年には、このカテゴリーのデバイスがIPネットワークに接続されるデバイスの約半分(46%)を占めるようになるという。

 M2M接続デバイスの中で特に増加率が高いと予測されるのは、消費者向けのヘルス系デバイスだ。このデバイスは2015年の約1億4400万台から、2020年には約5倍の約7億2900万台に増える見通しだ。一方で、M2M接続デバイスで大きな割合を占めるのはホーム系デバイスとされる。ホーム系デバイスは、2015年の約24億台から2020年には約58億台に増え、M2M接続デバイス全体の5割近くを占めるようになるという。

photo 2020年のトラフィック/利用者予測(出典:シスコシステムズの資料)

 なお、シスコは今回の予測調査で、Arbor Networksと協力してDDoS(サービス妨害)攻撃の現在および将来の脅威の定量化に取り組んでいる。シスコによる最新の分析結果では、「DDoS攻撃が発生すると、そのトラフィックはその国のトラフィック全体の最大10%を占める」可能性があるという。また、DDoS攻撃の発生件数は2015年の660万回から、2020年には1700万回に増加する見通しだ。

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