阿部川 自分の価値に気がついていないエンジニアもたくさんいそうですが。
金本氏 IT業界では、転職時に「Xという業務システムの、Yというレイヤーで、Zという仕事をしていました」と経歴書に書く人が多いと思います。そうすると、採用側も「こういうスキルセットなら、プロジェクトAで人が欠けたからここに入れよう」と、エンジニアを「部品」みたいに捉えてしまうんです。
「商品棚に並んだ『パーツ』を買って、足りない部分に入れてみる」といったようなエンジニアの扱い方しかできない企業って、とても不幸というか、結局下請けから抜けられないのではないでしょうか。
けれども、企業がそうなるのは、エンジニアが「自分はパーツである」と定義しているからだとも思います。そういう考えで動いていると、同じところをずっとループするだけです。
自分を「機能」だと思って切り売りしたって、切り売りのマーケットの価格でしか買ってもらえません。それでは思考停止ですし、想像力の欠如です。
今の職場が嫌い、ツラいという人は、「その会社に入る」意思決定をしたのは自分だということを真摯(しんし)に受け止めないといけません。働き方を決めているのは自分なのですから。自分の能力に自覚を持っていて、今とは違う働き方を望むのならば、違う職場を探せばいいと思います。
どこの会社も今「エンジニアがいない」と言っていますが、彼らが「足りない」と言っているのは、「自分のスキルの生かし方を想像できるエンジニア」です。どう想像力を使って仕事に取り組めるかがとても重要なのです。
自分が働く場所って、自分で決められるはずなんです。
勝手でも妄想でもいいから、「自分はこういうことができるんじゃないか」と考えて、そこから「そういうことができる企業ってないのかな?」といった視点で働き方を変えるのもアリだと思います。
「起業」には核となるアイデアが必要だ。そして、大概のスタートアップはヒトもモノもカネもないから、ビジネスを推進するための全てを1人でこなさなければならない。マネジメント、マーケティング、営業、技術、企画、資金繰り、交渉、プレゼンテーション、ネットワーク作り、採用、税金……。星を見つめていた子ども時代からの全ての経験が、金本氏の「今」に集約されている。
「自分で働く場所は、自分で決める」――それはグローバルな視点の起業家たちが持つ、良い意味でのワガママとウヌボレである。歓びの夢を見ることと日々直面する現実を共存させ、したたかに楽しみに変えていく。
宇宙事業は、少し前までは夢物語や法螺話のようなものだった。その「怪しさ」は、われわれが「常識的な理解を超えたもの」に感じる恐怖だ。自動車も電話も、そしてPCも、世界に初めて登場したときは怪しげだったに違いない。だが、Virgin Airやホリエモンの例を出すまでもなく、宇宙事業は今や、れっきとしたしたビジネス分野だ。
誰もやったことがない「理解を超えた」サービスや市場は、リスクはあるがリターンの可能性も高く、起業家の心を引き付ける。遺灰は地球を巡り、やがて宇宙の雲海の果てに消える。夢と現実の二刀流のサムライが、今、宇宙事業を大きく前進させようとしている。
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