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» 2016年09月05日 05時00分 公開

柱の数が大切――新卒3年目の@' yhattが、GitHubで世界中から「Star」をもらえた理由まだ君は間に合う! 現役エンジニアに聞く、学生のときにやっておくべきこと(10)(3/3 ページ)

[竹内充彦, 聞き手:@IT編集部,@IT]
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Marp開発にも生かされたもう1つの強み

 そうした就活のかいもあり、見事Speeeに就職した服部さん。入社後は、管理部に配属され、技術書をそろえた社内ライブラリ管理システムや、経費管理システムなど、社内で利用する業務システムの開発を任された。

 Speeeのエンジニアは、さまざまな分野における技術スキル向上を目的とし、個人で制作したプロダクトやライブラリを外部に公開する取り組みを行っている。

 服部さんは自身の勉強のために、空き時間を利用して業務で作るものとは全く異なるソフトウェアの開発に取り組んでいくことにしたという。

 それが、Markdown記法でプレゼン用のスライドを手軽に作成できるソフトウェア「Marp」だった。

 Speee社内はスライド作成ニーズが高く、しかも手軽に記述できるMarkdown記法のものが好まれていた。

 Markdown記法は、もともとHTML文を手軽に作成する目的で作られた記法だ。例えば文章を強調したければ「*ここを強調*」とアスタリスク1つで囲むだけよく、見出しや箇条書なども、HTMLに比べ簡潔な表記で記述できる。これをスライド作成に応用したのがMarpなのだ。

 「Markdown記法で記述できるスライド作成ソフトは既に幾つか存在していましたが、OSに依存していたり、有料で気軽に試せなかったり、別途外部ソフトウェアが必要だったりして、『これは!』と思えるものがないと感じていました。それならば自分で作ってしまおう、と考えたのがスタートです」

 Windows、MacOS、Linuxに対応し、外部ソフトウェアの助けを借りずにスライドをPDFに出力できる他、入力した内容がリアルタイムにスライド形式で表示される直観的な使いやすさもMarpの大きな特徴だ。誰にでも使いやすい仕様、直観的なインタフェースなど、その開発に当たっては、大学時代に学んだ情報表現の知識が大いに役立った言うまでもない。

 2016年5月にリリースしたMarpが、同7月にWebメディア「Hacker News」に掲載されたことがきっかけで多くの反響を呼び、服部さんは一躍、社内外から注目される存在になった。

 後は冒頭で紹介した通り。現在もMarpへのStarは増え続けている。

大切なのは技術のその先にあるものを見据えること!

 服部さんに、就活生へのアドバイスを聞いた。

 「技術は『目的』ではなく、何かを実現するための『手段』。エンジニアになりたい人は、エンジニアになって何をしたいのか、『先』まで見据えておくことが大切ではないでしょうか。

 1本の柱だけではなく、サブの柱を持っておくことも大切です。僕はメインの『開発』に加え、大学で『デザイン』を学びましたが、サブは人によって、目的によって異なると思います。強みを2つ以上持っていれば、就活で有利なのはもちろんですが、就職した後で生かせるシーンが必ず訪れるはずです」

 学生時代に勉強しておけば良かったことは「英語」だという。

 「自分が作ったソフトウェアを世界中の人に見て、使ってもらうためには英語が必須です。日本語オンリーでもいいのですが、それでは日本のユーザーからの反響しか見込めません。GitHubでは、翻訳ソフトと格闘しながら何とかやっています。一度公開してしまえば、後はネイティブの人から『ここの英語表現がおかしい』といったツッコミも入るので、助かります(笑)」

 現在、服部さんの目標は、バージョン0.0.8のプレリリース版であるMarpを、バージョン1.0の正式リリース版にすること。常に“その先”を見据えている服部さんの目には、大きな希望が満ち溢れていた。

次回も、トップエンジニアに就活のアドバイスを聞く

 本連載では、今後もIT企業の最前線で活躍するトップエンジニアに、学生時代に行った就職活動の内容や、これから就職活動を行う学生へのアドバイスを聞いていく。ぜひお楽しみに。

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