ZIZOの葛巻大介氏は、大阪駅の電光掲示板の謎や歩行ルールの曖昧さに触れ、良いUXを作る際に、最低限必要なことを紹介した。
大阪駅の電光掲示板には、このような表示があり、△は「新快速」、↑は「快速」、○は「普通(神戸線)」、◇は「普通(宝塚線)」を表しているそうだ。葛巻さんはこれを「記号のデザインと電車の移動速度が合っていない」というBad UXの例として紹介した。
この例は、Webサイトでいうと、下記のようにアイコンとテキストが一致していないカオスな状態だ。
他に、大阪ではエスカレーターは右側に並び、京都では左側に並ぶのに、通路では「左側通行」を要求されるという、このルールの曖昧さは、「リロードするたびに左右のローカルナビが逆転してしまうWebサイトのようなもの」と説明した。
さらに、「梅田」でグーグル検索すると、「梅田」の他に「西梅田」「東梅田」など5つも出てきてしまうという「ラベルの張り方の悪さ」を指摘し、これは「グローバルナビのラベルが被っているような状態」と説明し、会場の笑いを誘った。
葛巻氏は、良いUXを作るには、「テキストに関連したデザイン」「適度なルール」「排他的なラベリング」が必要であるとまとめた。
ポップインサイトの池田朋弘氏は、良いUXを生むために欠かせないWebマーケターの育成方法について語った。
元保育士でパソコン業務の経験のない美女が、入社4カ月目にして即戦力のWebマーケターとして活躍しているらしい。サイトの改善策を提案し、クライアントからもお褒めの言葉をもらうまでに成長したそうだ。
方法としては、ユーザーテストの実施とその整理法だ。ユーザーテストツールを用い、効率的にモニターを集める。そして、テストの結果を紙に書き出していく。さらに下記のようにユーザーによって指摘された箇所をサイトのキャプチャーと併記してパワーポイントでまとめていく。
「ベテランが分析し冗舌に改善策を語るよりも、経験が浅い素人の方が一般ユーザーに近く説得力を持つことがある。リソースが少ない現場でWebマーケターの新人を育成するには、この方法が効率的です」と池田氏は話していた。
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