オラクル、“Software in Silicon”を実装した「SPARC S7」製品群を投入中小規模のシステムにも対応、SPARCベースのIaaSも開始

日本オラクルは、新プロセッサ「SPARC S7」と、SPARC S7搭載サーバ/アプライアンスを発表。100万円台のローエンド向けサーバも用意した。

» 2016年10月13日 11時00分 公開
[@IT]

 日本オラクルは2016年10月12日、新プロセッサ「SPARC S7」と、SPARC S7を採用したサーバ/アプライアンス製品群を発表した。SPARC S7ベースの機能を利用できるIaaS(Infrastructure as a Service)「Oracle SPARC Cloud Service」も、新たに提供を始める。

 SPARC S7は、ハイエンド向けのSPARC M7と同じ第4世代のSPARC V9コアを8個備え、64スレッドを同時実行できる。動作周波数は最大4.27GHz。SPARC M7と同様に、「Software in Silicon」と呼ばれる用途特化型のアクセラレータを内蔵する。Software in Siliconにより、データの常時暗号化、データベース処理、データ分析、圧縮データの伸張処理などをCPUからオフロードすることで、全体の処理性能向上を図れるとしている。

 Software in Siliconに含まれるセキュリティ向けのアクセラレータ「Silicon Secured Memory」は、データの整合性(インテグリティ)をリアルタイムにチェックする。C言語などで開発されたソフトウェアのバグとして多く見られるポインタ操作(データの間接参照)にまつわるエラーやマルウェアなどから、システムが破壊されるのを防ぐ。同じく、データ暗号化向けのアクセラレータは、AES、Camellia、CRC32c、DES、3DES、DH、DSA、ECC、MD5、RSA、SHA-1、SHA-224、SHA-256、SHA-384、SHA-512の暗号化方式に対応し、「データの常時暗号化」を支援する。

 データベース処理向けの「SQL in Silicon」では、データベースの分析処理を同等周波数の他プロセッサ比で最大10倍高速化できるとしている。圧縮データの伸張処理機能と共に、同じメモリ容量でも最大2倍のデータを処理速度の低下なしにインメモリで扱えるという。

 日本オラクルではSPARC S7を採用した製品として、「Oracle MiniCluster S7-2 Engineered System」「SPARC S7-2」「SPARC S7-2L」「Netra SPARC S7-2」を用意した。

photo Oracle MiniCluster S7-2 Engineered System

 Oracle MiniCluster S7-2 Engineered Systemは、セキュリティの専門知識がなくてもシステムの安全性を確保できるアプライアンス。コンプライアンスの監視と監査を自動化しており、長期間に渡ってシステムを安全な状態で維持できるという。さらに、データベースとアプリケーションの自動パフォーマンスチューニング機能も備える。最小構成時の価格は、4CPUのシステムで約1548万円(税別、以下同)から。

 SPARC S7-2/S7-2Lは、100万円台から用意するローエンド向けのサーバ製品。どちらもスケールアウト構成やクラウドシステムの構築をローコストで実現できるとしている。S7-2は1Uサイズで、サーバの高密度化システム向け。S7-2Lは2Uサイズで、多様なストレージオプションを用意する。Netra SPARC S7-2は、SPARC S7のSoftware in Silicon技術を通信業向けに適用した製品。最小構成時の価格は、S7-2が1CPU構成で約132万円から、S7-2Lが2CPU構成で約186万円から、Netra SPARC S7-2が1CPU構成で約173万円から。

photo SPARC S7-2

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