WebhookやHubotを使ってチャットとSubversion、Redmine、Jenkinsを連携させる基本設定とはOSSチャット基盤RocketChat入門(終)(1/5 ページ)

OSSのチャット基盤であり、Dockerコンテナとして簡単に導入できるRocketChatを使った、コミュニケーション基盤の作り方を学ぶ連載。最終回は、RocketChatと他のアプリケーション(Subversion、Redmine、Jenkins、Zabbix、fluentdなど)と連携させる方法を紹介します。

» 2016年12月08日 05時00分 公開
[伴地慶介三菱総研DCS]

本稿で紹介する連携方法と連携させるアプリケーション

 本連載「OSSチャット基盤RocketChat入門」では、OSSのチャット基盤でありDockerで簡単に環境構築ができるRocketChatを使って、コミュニケーション基盤の作り方を学びます。

 前回の「Docker Composeを使ったRocketChatのインストールと基本的な使い方」では、実際にRocketChatをDocker上へ構築し、接続やチャットなどの基本的な使い方について学びました。今回は、応用編としてRocketChatと他のアプリケーションとの連携方法を紹介します。

 RocketChatのようなチャットツールと他のアプリケーションを連携させる方法はいくつかありますが、本稿では以下の2つの方法について、実装方法も含めて紹介します。

  1. Webhookを使った連携
    • 構成管理ツールSubversion(バージョン1.6.15)と連携
    • プロジェクト管理ツールRedmine(バージョン2.6.5)と連携
  2. botフレームワークHubotを使った連携
    • 継続的インテクレーション(CI)ツールJenkins(バージョン1.613)と連携

 なお連携させる各アプリケーションは、すでに構築済みであることを前提とします。

Webhookを使った連携

 まず、Webhookを使った連携方法を紹介します。Webhookにより他アプリケーションのデータをRocketChatへ送信し、チャンネルに投稿することを目指します。

Webhoookとは

 Webhookとは、データの送受信に関する仕組みの1つです。HTTPリクエストのように、受信側から送信側へリクエストすることでデータを受信するのではなく、送信側がトリガーとなってデータを送る仕組みです。通信プロトコルはHTTPであり、受信側で「Webhook URL」というデータを受信するためのURLを作成します。送信側は、このWebhook URLに対して、通常はJSONもしくはXML形式でPOSTリクエストすることで、データ連携を行います。

図1 HTTPリクエストでのデータ受信
図2 Webhookでのデータ受信

 HTTPのPOSTリクエストによりデータ連携を行うので、curlコマンドなどPOSTリクエストが実行できる環境があれば、送信側から受信側にデータを送信できます。このWebhookという仕組みを使って、他アプリケーション(送信側)からRocketChat(受信側)にデータを連携していきます。

RocketChatでWebhook URLを作るには

 Webhookにおいて、受信側であるRocketChatにはデータを受け取るためのWebhook URLを作成する必要があります。RocketChatには「Incoming Webhook」というAPIが提供されており、簡単にWebhook URLを作成できます。「Incoming Webhook」は、RocketChatの管理画面で「管理」→「サービス連携」→「新しいサービス連携」→「Incoming WebHook」から使用します。

図3 RocketChatでのWebhook URLの作成その1

図4 RocketChatでのWebhook URLの作成その2

図5 RocketChatでのWebhook URLの作成その3

図6 RocketChatでのWebhook URLの作成その4

図7 RocketChatでのWebhook URLの作成その5

curlコマンドで確認

 ここで作成したWebhook URLに、curlコマンドなどでPOSTリクエストによるデータ送信を行います。以下、RocketChatへデータを送信する際のcurlコマンドの例を記載します(見やすいように改行しています)。なお、このcurlコマンドの例は「Incoming WebHook」の画面にも記載されているので、そちらも参考にしてください。

curl -X POST --data-urlencode
   'payload={
      "channel": "#channel",                                    // 投稿チャンネル名
      "username": "username",                                  // 投稿ユーザー名
      "text": "Example message",                               // 本文
      "attachments": [{                                        // 添付情報
         "title": "Rocket.Chat",                               // タイトル
         "title_link": "https://rocket.chat",                  // タイトルのリンク
         "text": "Rocket.Chat, the best open source chat",     // 添付メッセージ
         "image_url": "https://rocket.chat/images/mockup.png", // 添付画像
         "color": "#764FA5"                                    // 色
      } ]
   }'
[Webhook URL(http://〜)]                                     // Webhook URL
図8 Incoming WebHook画面におけるcurlコマンドの例

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