岡本さんの話は、とにかく意表をつかれるものばかりだ。
例えば、2番目の会社の話で印象的だったことがある。「営業をしていると、あまり良い思いをしないこともある。そんなときはストレス発散のためにお酒を飲みに行く人も多いが、僕はプログラミングで発散していた」というのだ。
岡本さんの仕事への姿勢、そして自信の元になっているのは、抽象度を上げて考え、課題を解決できる能力だ。プログラミングには必要となる能力だが「プログラマーの持っている抽象化能力は他の分野――例えば顧客への提案や課題の解決、会社経営にも役に立つ」と岡本さんは言う。
「僕は会社をエンジニアリングしている。開発して保守運用している」
これは岡本さん流の「ものの言い方」だ。「一緒に働きたい人の基準も、『今、何ができるか』ではなく、必要な能力を身に付けられるかどうか。プログラミングに必要な能力は、他の分野にも役に立つはず。それを求めている」と話す。
プログラミングを通じて培った「抽象化」と「問題解決」の能力、さらに「学ぶ能力」があれば、多くの課題の解決に役に立つという信念があるのだ。
「仮に明日、プログラマーが世の中から必要とされなくなっても、自分は生きていけると思っている。学ぶ能力があれば何にでもなれる」と、岡本さんは言い切る。
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